配信

No.569 グランド・ブタペスト・ホテル

作品名

「グランド・ブタペスト・ホテル」 ‘13年度作品

監督

ウェス・アンダーソン

出演

  • レイフ・ファインズ
  • トニー・レヴォロリ
  • ジュード・ロウ

あらすじ

 アルプスの麓にグランド・ブタペスト・ホテルはある。そこは喧騒な都会
を離れて自分の世界に没頭したい人が集まるところになっていた。
 
 1968年、創作意欲が失せた一人の作家(ジュード・ロウ)もこのホテルに
引き寄せられた。
 
 ひっそりとしたホテルには毎日見慣れた宿泊客しかいない。皆一人で黙々
と自分の世界に浸っている。そんなある日、新客を発見した。顔馴染みの従
業員に尋ねると当ホテルのオーナーだという。
 
 作家はそのオーナーに興味を覚えた。オーナーも名のある作家のことを知
っていて、オーナーの方から話しかけてきた。オーナーが話し始めたのは自
分がどのようにしてグランド・ブタペスト・ホテルのオーナーになったかと
いう話だった。事実は小説より奇なりという言葉どおり、それは奇想天外な
物語であった。
 
 1932年のグランド・ブタペスト・ホテルはムッシュ・グスタヴ(レイフ・
ファインズ)支配人を中心に繁盛していた。訪れる客は金持ちばかりで、初
老の女性が目立った。彼女たちのお目当てはグスタヴであった。グスタブは
彼女たちを優しくレディとして、お・も・て・な・し、したからだ。
 
 新人ボーイとしてゼロ・ムスタファ(トニー・レヴォロリ)が雇われるこ
とになった。このゼロこそが後のオーナーになる人物だ。グスタヴはゼロに
仕事のイロハを教え始めたある日、グスタヴの上得意客が自宅で死亡したと
の新聞記事が届いた。何らかの遺産が貰えると考えたグスタブはゼロをお供
に得意先の豪邸へ向かった。
 
 

お勧めポイント

 童話のようでありながらミステリアスな物語
 
 大人向けの童話を観ているような美しい画面です。幻想的な風景と建物、
そしてマンドリン等の怪しげな音楽と独特の世界観に圧倒されます。音に注
目すれば、どこかしこで音・音楽が聞こえてます。最近の作品なのに昔の映
画を観ているような心休まるところがあります。
 
 グスタヴとゼロの波乱万丈に満ちた半生を観るだけで、人生、そしてその
時代背景にはいろいろなことがあるものだと感じます。でも本作は悲壮感が
微塵も現れず、面白おかしく魅せてくれるのが最高です。むしろクスッと笑
ってしまいます。
 
 笑えるのが刑務所への差し入れ検査シーンです。やばいものを差し入れる
のですが、その品物は難関をすり抜けます。この品物とても美味しそうです
。実際に食べてみたいです(笑)
 
 登場人物がスゴイです。カメオ出演と呼ばれるワンシーンに意外な大物俳
優が登場します。たとえばビル・マーレイも登場してますが、気をつけない
と見過ごします。見逃さないように真剣(笑)にご覧ください。
 
 この週末は秋に思いを馳せたくなるこの作品に浸ってください

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★★★