No.571 海月姫｜メンタルシネマクラブ

作品名

「海月姫」　‘14年度作品

監督

川村　泰祐

出演

能年　玲奈
菅田　将暉

あらすじ

　月海（能年　玲奈）は大きくなったらシンデレラのように素敵な恋を成就
させ、幸せな人生を過ごせると思っていた。だが現実は厳しく、恋愛どころ
か男と満足に話すこともできないまま大人になった。
　
　オタク女子として成人した月海は同じような境遇の女子ばかりが住むアパ
ートで暮らしていた。いずれの住人も年齢こそ違え、月海と似たり寄ったり
だった。男だけでなくオシャレ女子にも近づくことが出来なかった。誤って
遭遇すると体が硬直してしまうほどだ。
　
　月海には好きなものがあった。それはクラゲだ。部屋中クラゲグッズだら
け。ある日、ひょんなことからオシャレ女子の蔵之介（菅田　将暉）と知り
合い部屋に泊めてしまった。オシャレ女子というだけで固まってしまうのに
、蔵之介は名前のとおり男であると判った。それがアパートの住人たちに判
ると間違いなく月海は村八分される。
　
　さらに月海に危機が迫っていた。彼女たちが住むアパートが地上げされる
ことになった。それを阻止するためにオタク女子は立ち上がった。
　
　

お勧めポイント

　今戦わなくていつ戦う
　
　能年玲奈さん主演の青春コメディ作品です。
　能年さんってオタク演技をさせれば絶品ですが、正にこの物語ははまり役
だと思います。でもオタクから一歩抜け出せば美人以外の何物でもありませ
ん。その差こそシンデレラそのものです。
　
　最近の作品にはよくある傾向ですが、本作も原作は東村アキコさんの漫画
です。東村アキコさんの漫画もよく読みますが、あの独特の世界をリアルに
描くとこのようになるのですね（笑）何かの拍子に石のように固まる描写は
そのまんま表現されています（笑）オスカルを連想させる宝塚シーンも東村
アキコさんワールドの十八番です。
　
　さて物語の後半でファッションショーがあるのですが、これはBGMといい、
私のお気に入りのシーンです。本当に楽しく主人公が喜ぶのは当然だと思い
ます。彼女の瞳に、いえ、メガネレンズにどのように映っているか、彼女の
心はどれほど喜んでいるか、主人公と一緒になって楽しんでください。
　
　共演の菅田将暉さんは本作では女装しているのですが、これがよく似合っ
ています。声は男でも女でも通じる声質で無理がありません。ファッション
ショーでは本当に綺麗です。
　
　本作の題名は何と読むのでしょうか、「海月」で「クラゲ」だそうです。
主人公はクラゲ大好き女子ですから、当然といえるタイトルです。
　
　ちょっと寒くなってきましたが、本作を皆で鍋をつつきながら見ると楽し
いだろうなと思います。この週末はこの作品で心を温めてください。