No.573 滝を見にいく
「滝を見にいく」 ‘14年度作品
沖田 修一
『幻の滝へ紅葉ツアー温泉付き』に申し込んだのは、7人のおばさまだった
。ほとんどの人は独りで参加していて、観光バス内は静かなものだった。彼
女たちのお世話をするツアーガイドは新人らしく何かにつけて頼りない男だ
った。
目的の滝に向かって頼りないツアーガイドは先導した。ツアーに参加した
根岸(根岸 遥子)や安澤(安澤 千草)たちは思い思いに歩きながら、紅
葉の景色を楽しんでいた。ところが滝に着く前に、どうやらツアーガイドは
道に迷ったようだ。ツアー客を残して目的地を探しに出かけてしまった。
残された客たちはポツリポツリと会話を始めたが、そこはおばさま同士、
すぐに打ち解けていった。
ガイドと連絡が取れないまま時間だけが過ぎていった。7人はガイドを探し
歩いたり、滝にたどり着こうとしたりしたが、さらに道に迷う一方だった。
途方に暮れた7人は野宿を決意した。
女7人揃ったら
ほのぼのとした、これこそヒューマンドラマです。
多少の好き嫌いは有っても、日常生活でしかも2日程度の付き合いなら、そ
れなりに触れ合える人たちでしょうが、山で遭難し、お腹も減って苛立って
くると、我慢できていたことも我慢出来なくなり、ついつい余計なことまで
口から出てしまいます。
雨降って地固まるとは正にこのことでしょう。
7人はそれぞれ個性があります。三人寄れば文殊の知恵と言いますが、リー
ダーシップを発揮する人やアイデア豊富な人、サバイバルに強い人もいます
。それぞれが知恵を出し合って生き延びよう(そこまでシビアな雰囲気はあ
りませんが;笑)とします。
笑えるのは7人が口にするツアーガイドの悪口です。どうしょうもない男だ
と事あるごとに言います。プッツンしたおばちゃんたちの口喧嘩も笑えます
。
出演者ですが、いずれも見覚えのない人たちです。それもそのはずでこの
映画のオーディションで選ばれた演技経験のない、町で見掛けるようなおば
さま達なのです。だからこそドキュメンタリを見ているような、本当にこん
なことが在り得ると思えるような童話のような物語です。
私にはもう一度訪れた「修学旅行の夜」のように思えました。いくつにな
っても乙女は乙女という気がします。
どうぞこの週末はこの作品でハイキングに出かけたつもりで、クッキーと
紅茶を味わいながら楽しんでください。
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆
感動度 :★★★
