No.576 あと１センチの恋｜メンタルシネマクラブ

作品名

「あと１センチの恋」　‘14年度作品

監督

クリスティアン・ディッター

出演

リリー・コリンズ
サム・クラフリン

あらすじ

　ロージー（リリー・コリンズ）の生涯で初めての友達は、アレックス（サ
ム・クラフリン）だった。小学校で隣同士の席だったことが縁で打ち解けあ
った。その日から、ロージーとアレックスは何でも話す親友になった。
　
　時は流れて二人は高校生になった。相変わらず何でも話せる間柄であった
。しかし高校の一大イベントであるプロムは別々の人を誘うことになってし
まった。
　
　原因はその直前にあったロージーの18歳の誕生パーティだった。盛り上が
ったロージーはついつい飲み過ぎて記憶が飛んでしまっていた。アレックス
と初めてのキスをしたことを全く覚えていなかった。キスをしたことは憶え
ていると思っていたアレックスは、後ろめたい気持ちになってプロムは別の
人を誘ったのだ。
　
　ロージーもアレックスもお互いの恋愛を応援していたが、心の中では何か
モヤモヤするものがあるのを感じていた。
　
　高校卒業後は二人揃って生まれ育った英国の片田舎を出て、アメリカの大
学へ行こうと話し合った。しかしその直前、ロージーに大事件が発生した。
でもそのことをアレックスに話せないまま、アレックスは先にアメリカへ旅
立った。
　
　

お勧めポイント

　掛け違えたボタンはすぐには直せない
　
　こういうことってありますね。両想いのはずが、ちょっとした行き違いか
ら疎遠になってしまう。それでも縁は続いているのに、次の一歩が踏み出せ
ないでいる。さらにどちらかがその気になって一歩踏み出しても、もう一方
はその準備が出来ていない。
　
　『ご縁が整わなかった』という言い方があります。どちらも好意をもって
いるのに、たまたまタイミングが合わずに一緒になれなかった。タイムスリ
ップして都合の良い時期に飛んでいきたらと思ってしまいます。
　
　「あと１センチの恋」という題がついていますが原題は「love, rojie」で
す。珍しく邦題の方がシックリくるタイトルだと思います。あとわずか、手
を伸ばせば捕まえると思っているのに、なぜか手を伸ばした時だけ届かない
という不思議な気分が伝わってきます。
　
　主演のリリー・コリンズはキュートなイメージが漂っています。往年のロ
ック歌手、フィル・コリンズさんの娘です。そう言われて顔をみたら、なる
ほど瞳が一緒です。
　
　原作は「P.S.アイラブユー」のセシリア・アハーンです。この作品でも同
じティストを感じます。昔のメロドラマではありませんが、すれ違いの連続
で、観ている人たちを歯がゆい思いにさせます。
　
　深まる秋に温かな雰囲気一杯のラブストーリーをどうぞ楽しんでください
。