No.584 ティファニーで朝食を｜メンタルシネマクラブ

作品名

「ティファニーで朝食を」　‘61年度作品

監督

ブレイク・エドワーズ

出演

オードリー・ヘップバーン
ジョージ・ペパード

あらすじ

　ある日、ホリー（オードリー・ヘップバーン）は呼び鈴に叩き起こされた
。ホリーの住む安アパートは玄関と各部屋にそれぞれ別の鍵が必要だ。もっ
とも部屋の鍵は掛けないこともよくある。
　
　寝ぼけ気味のホリーにポール（ジョージ・ペパード）という男性は引っ越
して来たと言った。あいにく玄関の鍵を持ち合わせてなくホリーの呼び鈴を
鳴らしたということだった。
　
　ホリーはポールが実兄に似ているということで人懐こく部屋を行き来する
ようになった。誰とでも人懐こく話すのはホリーの気性だ。
　
　ポールは売れない作家だ。ホリーは詐欺で男性から金を巻き上げて暮らし
ているようだ。金持ちの男性には言葉巧みに近づいた。
　
　ポールには金を工面してくれる愛人がいて、この部屋もその愛人から提供
されていた。しかしホリーと打ち解けていくにつれ、その魅力の虜になって
しまった。
　
　

お勧めポイント

　いつかはティファニーで
　
　本作を観てオードリーは子猫のように思えました。あちらこちらを自由に
歩き回って我が道を進んでいるかと思えば、突然目の前に現れて、ニャーン
と人懐こく鳴かれ擦り寄られると、たちまち気にせずにはおられず、ついつ
い話しかけてしまう、抱き上げて頬ずりをしてしまう、そんな子猫のような
存在です。
　
　本作では「ネコ」という名の猫を飼っています。猫も自分もここが自分の
居場所ではないから、ちゃんと名前を付ける気にならないそうです。ホリー
は自分の居場所を探すために彷徨っているのでした。それを知ったポールは
彼女のことが気になって仕方がありませんが、ホリーは彼を友人にしか思っ
ていません。自分の気持ちに気づいていません。
　
　さて「ティファニーで朝食を」というのはどういう意味でしょうか？「テ
ィファニー」は誰もが知っている宝石店です。そこがお気に入りのホリーは
ティファニーのショーウィンドウを眺めながら朝食を取るのが日課になって
います。作品の冒頭でそのシーンがありますが、私の場合はオードリーの美
しさにうっとりとしてしまいました。
　
　さらに名曲「ムーンリバー」も物悲しい哀愁を漂わせて主人公の演出を高
めています。オードリー自身が歌うシーンも最高です。
　
　ホリーとポールがデートするシーンがあります。その時に「今日は今まで
やったことがないことを、初めてのことをしよう」と取り決めします。これ
って良いアイデアですね。デートすることがあったら、やってみましょう（
いつのことやら；汗）もっともデートでなくても1日新しいことにチャレンジ
してみることは良いですね。作品ではちょっと頂けないですが、楽しい初め
て体験があり、微笑んでしまいます。
　
　ホリーたちが住むアパートには日系の人が住んでいます。この人、出っ歯
なのですが、ひと昔前は日本人＝メガネ＋出っ歯という人物が洋画に登場し
ました。この作品の影響でしょうか？（苦笑）
　
　何度見ても楽しく落ち着いた気分にしてくれる作品です。どうぞこの週末
は本作を楽しんでください。