作品名
「レインツリーの国」 ‘15年度作品
監督
三宅 喜重
出演
- 玉森 裕太
- 西内 まりや
あらすじ
向坂伸行(玉森 裕太)は食品会社の営業として働いている。偶然、学生時代に好きだった小説「フェアリーゲーム」の下巻が本棚から無くなっているのに気付いた。ふと、小説の結末がどうだったのかを考えたが、どうなったのか思い出せなかった。それが気になってネットで調べてみることにした。
すぐに答えは見つかった。「レインツリーの国」というブログにその小説の感想が書かれてあり、物語の結末を思い出すことが出来た。自分と同じような感性をもったサイトの管理人に興味を惹き、思わずメールを送ってしまった。
勢いでメールを送ってしまったことを伸行は後悔した。ブログを見た感想ではあるが、いきなり見ず知らずの男からのメールだ。返信のないまま時間は過ぎた。もう返事はないだろうと諦めていたところに、サイトの管理人である”ひとみ”(西内 まりや)からメールが届いた。
何度かメールのやりとりをし、伸行の感情は高ぶった。どんな人か直接会って話をしたい気持ちで一杯になった。あれほど後悔したはずなのに「会いたい」というメールをひとみに送りつけてしまった。
ひとみからの返事は伸行の期待した内容であった。ただ、奇妙な質問も届いた。「声は高いですか?低いですか?」
お勧めポイント
レインツリーとは?
有川浩さん原作の小説を映画化したピュアなラブロマンス作品です。
あまり事前知識がない方が良いかと思います。私はラブストーリー程度しか知らずに観ました。だから最初、ひとみさんの言動には疑問を持ちました。その疑問への自己回答は当たっていました。それでも見逃しているヒントもありました。「声は高いですか?低いですか?」この質問には大きな意味が込められていました。
健常者には何もかもが当たり前すぎて、何らかの障がいをもっている人の気持ちが理解出来ていないのを何度も痛感しました。本作ではひとみさん自身から周りの人を映すシーンがあり、こんな感じなのだと体験させてくれます。これだけでも如何に大変であるかを思い知らされます。さらに日頃味わっているだろう数々の事柄も描かれています。
物語は最初から最後までピュアな二人の展開です。そして彼らの家族も温かく接しています。中にはそうでない人が登場するのは、実社会と同じです。
ラストは意外でした。もうこれで終わりかなと思っていたら、さらなるハッピーエンドが待っていました。今まで蓋をされていたひとみさんの感情が一気に伸(シン)さんにぶつけられ、それに応えようとする伸さん、正面から向き合う二人の言動に涙します。雨降って地固まるという言葉どおり、何度かの暴雨を乗り越えた二人の姿に、さらに意外と親切だった同僚に、感動すること間違いなしです。
「レインツリー」とは何かは心配ご無用。作中でちゃんと説明してくれます。
ポイント
笑える度 ★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★★
スッキリ度 ☆☆☆☆☆
感動度 ★★★★


