作品名
「セッション」 ‘14年度作品
監督
デイミアン・チャゼル
出演
- マイルズ・テラー
- J・K・シモンズ
あらすじ
ジャズ・ドラマーを目指して名門シェイファー音楽院に入学したニーマン(マイルズ・テラー)は、名物教授フレッチャー(J・K・シモンズ)の目に留まった。
フレッチャーから彼のバンドに誘われた時からニーマンは舞い上がった。これで一流ドラマーとしてのデビューは決まったと。だが練習に参加したニーマンは愕然とした。彼と同じパートのドラマーは他にもいて、ニーマンは譜面めくりだけだった。
練習は過酷としか言いようがないものだった。音程がずれているとニーマンの目の前で追い出されたメンバーもいた。とうとうニーマンにもドラムに座ることを許されたが、いきなりフレッチャーはイスを投げつけ、ニーマンを怒鳴り始めた。彼のテンポにズレている箇所があったからだ。
その日からニーマンは猛練習を開始した。彼の指に血豆が出来たが、それでも彼は練習を止めなかった。新しいドラマーも入ってきて三つ巴の争いになった。フレッチャーは彼らを代わる代わる演奏させたが、フレッチャーを納得させる奴は一人もいなかった。
お勧めポイント
完璧とは、執着とは
全編通じて鳴り響く迫力満点のジャズ音楽。特にスネア、フロアタムそしてシンバルが泣き叫ぶかの如く轟音で刻むリズムには聞き入ってしまいます。
だがそれ以上に聞こえてくるのがフレッチャー教授の罵声です。真剣勝負の世界を垣間見た気分です。そういうとまだ聞こえがいいです。狂気としか思えない完璧を求める男たちの世界に背筋がゾーっとします。さらに物語の終盤はトンデモナイ展開が待っていて、ここまで壮絶な内容とは思いもしませんでした。2流のサスペンスより怖いです。
ラストの演奏は本当にスゴいとしか言えません。音楽に造詣が浅いとか深いとか関係がありません。観た者全てが圧倒されて、ただ成り行きを見守るしかありません。固唾をのんで観るとはこのことです。言葉に書き表すことは困難ですが、その演奏は万人に訴えかけるものです。
私は何度観たか判りません。正確には観たというよりも聴いたというほうが正確かと思います。
音楽に限らず、勝負の世界は厳しいと実感させる一作です。スポーツ物語でド根性ものはよくありますが、音楽を題材にした作品で、ここまで悲惨なものは初めて観たと思います。
ポイント
笑える度 ★
ファイト度 ☆☆☆☆☆
ほのぼの度 ★
スッキリ度 ☆☆
感動度 ★★★★


