作品名
「野いちご」 ‘57年度作品
監督
イングマール・ベルイマン
出演
- ヴィクトル・シェストレム
- イングリッド・チューリン
あらすじ
78歳になったイサク(ヴィクトル・シェストレム)は、長年の医師としての功績が讃えられることになった。だがその前夜、嫌な夢を見た。自分が死ぬ夢だ。
早く起きてしまったイサクは、飛行機でわずかな授賞会場までの距離を車で行くことにした。それを聞いて滞在中の息子嫁マリアンヌ(イングリッド・チューリン)も同行すると言い出した。
二人は途中、イサクが青春期に過ごした別荘に立ち寄った。庭には野いちごが無数に実をつけていた。その草むらでイサクはうたたねをしてしまった。夢に出てきたのは青春時代の自分であった。
ヒッチハイクをしている若者三人に出会った。その中の女性は、イサクの死別した妻に瓜二つだった。
危なく事故に成りかけた。夫婦喧嘩に夢中で、対向車が来ているのに気付かなかったのが原因だ。その夫婦の車は故障してしまい、仕方なくイサクの車に乗せることになった。
イサクと義理の娘、ヒッチハイクの三人、喧嘩ばかりする夫婦を乗せた車は授賞式があるルンドへと向かった。
お勧めポイント
人生は走馬燈のごとく
主人公の人生は色々なことがありました。それは主人公に限ったことではなく、誰の人生も波瀾万丈といえます。
主人公は初恋の人から妻になった人まで、辛い思い出がありました。それが原因で孤独を愛し、人々とは深く関わらない人生を過ごしてきました。でも年老いた今、それが間違いであったことに気づきます。
自分だけでなく、自分の息子も自分に似た生き方をしていることを知り、それを自分に照らし合わせて嘆きます。
いくつになっても後悔の念に悩まされるのは誰しも同じです。あの時、こうすれば良かったと、死が近づく年寄になっても苛まされることはしたくありませんね。”実行しなかったことを嘆くよりも、実行して仮に失敗しても、実行した自分を褒めてあげよう”これが私の持論です。とはいえ、実行出来なかったことも多々あります。
本音で語る。この作品が私に教えてくれたことです。仮面を被って人生を誤魔かすよりも、ありのままの自分をさらけ出す。そうすることで自分を理解してもらえるだろうし、もっと深く友人と過ごせるだろうと思います。
監督のイングマール・ベルイマンは、多くの監督・俳優に影響を与えました。また、「第七の封印」「処女の泉」など現在まで語り継がれる名作を数多く残されています。いずれの作品も人生を振り替えてしまう物語です。
ポイント
笑える度 ★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★★
スッキリ度 ☆☆☆
感動度 ★★★


