作品名
「四畳半神話体系」 ‘10年度作品
監督
湯浅 政明
出演
- 浅沼 晋太郎
- 坂本 真綾
- 吉野 裕行
あらすじ
私(浅沼 晋太郎)は京都の大学に通うことになった。そして二度とないキャンパスライフを有意義に過ごすため、慎重に部活サークルを選んだ。そこでは尊敬の眼差しで私を見つめる女性たちに囲まれたバラ色の人生が訪れるはずだった。
だが推敲に推敲を重ねて慎重に石橋を叩いて選んだはずのサークルは、夏を待たずに無意味なグループ、時間の浪費に変わってしまった。
おまけに死神に瓜二つの小津(吉野 裕行)なる男だけが私に近寄ってきた。うかつにも小津に心を許してしまった私は、彼と共にサークルの嫌われ者に成り下がった。
唯一の希望は、1年下の明石さん(坂本 真綾)に慕われていることだ。これだけは無意義な日々に咲き誇る一輪の花であることは間違いない。
だが常に沈着冷静な私が、おいそれと彼女に愛を囁くことなどあってはいけない。
今日もいつもどおりの無機質な日が過ぎるだけだ。四畳半風呂なしの下宿は人間の尊厳を保つには十分過ぎる空間である。
お勧めポイント
シュールな大人向けのアニメーションです
一話完結のドラマです。ほぼ毎回、違うサークルを選んだ主人公が、バラ色のサークル活動を送ることに失敗し、無機質な日々を送る物語です。
一話完結のはずが、各物語が微妙につながっていて、物語が進むうちに全貌が見えてくる展開が素晴らしいです。最初はよく判らない物語に入れられてしまったと困惑します。でもシュールな超理系の主人公による思考回路を見ているうちに、その面白みにハマってしまいます。
登場人物のほとんどが一癖も二癖もある個性的な人々です。なんといっても主人公の長ったらしい説明に、思わず納得した気になってしまう自分に驚きと落胆が許せません(笑)
第4巻(最終巻)になると主人公の四畳半パラレルワールドがこれでもかと襲い掛かってきます。でもご心配なく。ここまで観れた人には快感としか思えない時間になっています。
原作は『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞された森見登美彦さんの同名小説です。音楽もなかなか聞き惚れてしまう秀逸なもので、こんな楽しい物語がひっそりとレンタル店に埋もれているのはもったいないとしか言いようがありません。
ポイント
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★
スッキリ度 ☆☆☆☆
感動度 ★★


