作品名
「リザとキツネと恋する死者たち」 ‘14年度作品
監督
ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ
出演
- モーニカ・バルシャイ
- デヴィッド・サクライ
あらすじ
ブタベストに住むリザ(モーニカ・バルシャイ)は未亡人の専属看護師として働いていた。彼女は日本の小説「桃色の空の下で」を愛読していて、そこに描かれているような恋愛を夢見ていた。
リザには他の人には見えないモノが見えていた。それはトニー谷(デヴィッド・サクライ)と言う芸名で一斉を風靡した日本人歌手の亡霊であった。トミー谷はリザに恋していて、いつも彼女の周りで愛を囁くのだった。
トミー谷は嫉妬深く、リザが関心を惹く人々を次々と不審死させていた。そのせいでリザは孤独な人生を送っていた。それがトニー谷のせいであることをリザは知らなかった。
でもリザはいつの日か素敵な恋をすると信じて、愛読書を読み、妄想にふけていた。
しかし警察は一連の不審死はリザによるものだと調査を開始した。
お勧めポイント
不思議な日本文化が垣間見れるファンタジー・コメディです
不思議な日本語、漢字、歌と海外から観た日本を感じ取れる作品です。 なんともいえない気分になれます。
特にトニー谷が歌う不思議な日本語の歌は、その独特のメロディが徐々に病みつきになります。トニー谷を演じている人もどこか日本人のような(お名前からすると日系のようです)、片言の日本語の歌に心がウキウキしてきます。さらに昔のゴーゴー(死語でしょう;笑)を踊る姿も真似してみたくなります。
各シーンの構成は日本映画やハリウッド映画を見慣れていると、とても新鮮で映像や音楽だけでも楽しめます。
主人公のリザは冒頭ではメガネをかけて真面目な女性にしか見えませんでしたが、後半に髪を下してカジュアルなドレスを着ると、前半の女性と同じだとは信じられないほどです。恋する女性は変わります。彼女をそう仕向けた男性たちを、トニー谷が許すはずもありません。
さて、幽霊が出てくる物語ですが、ファンタジー仕様で全然怖くありません。冒頭の主人公の後ろ姿で、何が起こったのか期待させますが、物語の後半にはその種明かしがあって笑ってしまいます。ラストでようやく本領発揮かと思いきや、片言の日本語と日本を連想させる風景に、最後の最後まで不思議な作品で終始してしまいます。つまり楽しい作品です。
エンディングは監督のポリシーに大賛成です。ここで唄われる歌が一番好きですね。そして富士山らしき山も絶景かな。
ポイント
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★
スッキリ度 ☆☆☆☆
感動度 ★


