作品名
「きみはいい子」 ‘14年度作品
監督
呉 美保
出演
- 高良 健吾
- 尾野 真千子
あらすじ
桜ヶ丘小学校の岡野（高良 健吾）は新人教師だ。まだまだ生徒との接し方が良く分からない。生徒とのコミュニケーションは空回りすることが多く、おまけに父兄からのクレームにも右往左往するだけだった。
水木雅美（尾野 真千子）は3歳になる娘を一人で育てている。父親は海外に単身赴任中で、子育てやら色々な悩みを一人で解決するしかなかった。ママ友の前では良い母親を演じているが、娘と二人きりになると苛立って娘に手をあげてしまうことが良くあった。
雅美自身も母親から虐待を受けて育った経緯があり、娘とどのように接したら良いかよく分からずにいた。
岡野は生徒や父兄とのコミュニケーションに悩むと、姉夫婦の所に上がり込んで不満をぶちまけた。姉も弟の性格をよく判っているので、いつも優しく弟の話を聞いてくれた。
いつものように姉に不満を口にした岡野に、姉は自分の子供に岡野を慰めるように囁いた。子供はその言葉に従い岡野を優しく抱きしめ岡野を慰めてくれた。
その時岡野の脳裏に、子供たちのコミュニケーション課題が閃いた。
お勧めポイント
『抱きしめられたい。子どもだって。おとなだって。』
色々なことを一人で悩むと、どうやら良い案が浮かばないように思えます。よく言われるのが気分転換をすること。家でじっとしていると悩みは余計に増幅していくようにです。でも家を一歩出ると、あれほど重大だと思っていた悩みが、どうしてこんなに悩んでいたのかと不思議に思えることもよくあります。
また、誰かに話を聞いてもらうだけで気が休まることもあります。何も打開策が見つかった訳でもないのに、これも不思議なことです。
本作に登場する新人先生は、自分が良いと思ったことを次々と実践しますが、どうも空回りします。まだまだ勉強不足の処も多いですが、毎日努力しています。試行錯誤とは正にこのことですね。でも常に問題意識があるからこそ、ちょっとしたことがヒントになって、名案が訪れてくれることもあります。
子育て真っ最中の雅美は、人前では優しい母親を演じています。気を張った毎日ですが、ママ友の中に気がおけない友人を見つけます。実はこの友人にも雅美と同じ境遇があったことがわかります。この人の子供とのコミュニケーションは雅美にも随分参考になります。
本作には多くの子どもたちが登場します。小学生ってこんなに悩みが多かったのかと不安になりますが、物語では色々な悩みを知ることができます。また、学校の課題もこんなにあるのかと驚きました。
大人も子供も、みんな多くの悩みを抱えて生きているのですね。
主演は高良 健吾さんと尾野 真千子さんです。どちらも等身大の人物を上手く演じられています。どちらも共感出来る登場人物です。頑張れって抱きしめてあげたいです。
ポイント
笑える度 ★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★
スッキリ度 ☆☆☆
感動度 ★★
