作品名
「スプリング、ハズ、カム」 ‘17年度作品
監督
吉野 竜平
出演
- 柳家 喬太郎
- 石井 杏奈
あらすじ
時田肇(柳家喬太郎)の娘である璃子(石井杏奈)が春から東京の大学に通うことになった。肇にとっては一人娘であり、亡き妻の忘れ形見であり、タクシー運転手をしながら男親一人で大切に育てた。
幸い璃子も肇に反抗することなくすくすく育ってくれた。
今日は広島から夜行バスに乗って二人で部屋探しをすることになっていた。
考えてみれば娘とゆっくり話す機会も少なかった。機会はあったかもしれないが男親が娘と何を話せばよいのか、ついついきっかけを掴めないまま、娘は離れていくことになった。
璃子は地元の短大で良かったが、肇は東京へ行くことを薦めた。
不動産屋と物件を回ったが、紙一重で他の人に契約されたりで、なかなか決まらなかった。
ようやく巡り合った物件は、東京の母親になってくれそうな大家さんがいてくれた。肇や璃子は大家さんと打ち解けてここに決めることにした。
肇や璃子にとっては部屋を探すだけのことであったが、こんなにゆっくりと親子が話をすることはなかった。今まで話すことがなかった璃子の母親についてもこの機会に話さなければ二度と話す機会はないと思った肇は璃子に色々なことを語り始めた。
お勧めポイント
落語家の柳家喬太郎さん主演のヒューマンドラマです。
柳家喬太郎さん演じる父親は田舎育ちの素朴さが前面に出てます。話好きな役柄になっていますが、そこは落語家、その話が楽しいです。
柳家喬太郎さんと言えば新作落語「午後の保健室」が有名です。短いお話ですが、聞いたことがない方はぜひお聞きください。途中からびっくりして大笑いしてしまいます。ネットにもあるかと思います。
また主人公はカメラ好き(実は娘を撮るために最近買ったばかり)で、娘やら風景を撮りまくりです。おかげでたくさんの思い出写真が撮れました。
共演の娘役は元E-Girlsのダンサーだった石井杏奈さんです。現在テレビ放映中の黒木華さん主演のドラマ「ゴシップ」にも出演されています。
男親と娘は成長するにつれ、話す機会も少なくなるかと思います。でもこの物語では、この親にしてこの娘ありと思える羨ましい関係です。
親子の距離が、この1日でこんなに近づくとは二人共思っていませんでしたが、今だから語り合えるラストシーンが泣けます。色々な人との触れ合いが二人にそんな雰囲気を演出してくれたのでしょう。
この作品を観ると思い出すのが松たか子さん主演の「四月物語」(以前ご紹介済)です。こちらは主人公だけで、どうして東京に出てきたのか、どうしてこの町を選んだのか、シーンを見るだけで分かります。微笑んで観ることが出来ます。まだ観てない方はこちらもご覧くださいね。
引越しすると最初にお世話になるのがお引越し屋さんです。どちらの作品でもほのぼのとしたお引越し屋さんが登場して、まずほっこり気分にさせてくれます。
本作に登場する大家さん、飴ちゃんを持ってます。大阪のおばちゃんのように親近感を覚えました(大笑い)。
ポイント
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★★
スッキリ度 ☆☆☆
感動度 ★★★


