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No.668 大出世物語

作品名

「大出世物語」 ‘61年度作品

監督

阿部 豊

出演

  • 小沢 昭一
  • 吉永 小百合

あらすじ

 昭和30年代の東京で、印刷会社のゴミを回収する男がいた。彼の名はロクさん(小沢昭一)と呼ばれており、その印刷会社には15年も出入りして、知らない者がいない古株だった。
 
 ロクさんには高子(吉永小百合)という高校生になる娘がいた。ロクさんに似て気立ての良い娘だった。
 
 その高子にはボーイフレンドがいた。そのボーイフレンドはロクさんが出入りしている印刷会社の社長のご子息だった。身分のつり合いが取れないと高子は思っていたが、彼の方は一切気に留めていなかった。

お勧めポイント

 日活が贈るヒューマンドラマです。
 
 主演は小沢昭一さんです。数多くの作品に出演され、「ハーモニカ・ブルース」(気になる方はYoutube等で探してください)の歌はしみじみと聴いたのを覚えています。
 
 本作では若かりし小沢昭一さんを見られます。そして何よりも昭和30年代の庶民のくらしを見ることができます。今から思えば、みんな似たような貧乏暮らしをしてたんですね。でも焼き芋をみんなで分け合うシーンなど、焼き芋の香りと温かさが画面から飛び出して伝わってきます。
 
 娘役の吉永小百合さんは言うまでもないと思います。当時16歳という役柄と同じ年代です。ボーイフレンド役の浜田光夫さん(当時18歳)共々、この後の日本青春ドラマで数多く共演されています。本作のラストシーンの展開は笑えます。
 
 主人公の家には額縁があり、次のような言葉が書かれてあります。
 「今日は一日 恐れず 怒らず 悲しまず 正直に 親切に」
 
 なかなか良い言葉だと調べてみると、元は中村天風さんの言葉でした。
 「今日一日、怒(いか)らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ」
 私もこの名言を胸に刻んで生きていきたいと思います。
 
 さて、本作の「大出世物語」というタイトルはどういうことなのでしょうか?映画を見始めたら分かってきますが、先ほどの名言を実行している主人公なら当然とも思えます。
 
 いよいよ四月に入ってきます。新環境で生活される方も多いと思いますが、本作をご覧になって「でっかい夢に向かってコツコツと歩んでください」
 1時間程のすぐに観終えることが出来る作品です。

ポイント

笑える度   ★★★
ファイト度  ☆☆☆☆
ほのぼの度  ★★★★★
スッキリ度  ☆☆☆
感動度    ★★