作品名
「無職の大卒」 ‘14年度作品
監督
ヴェールラージ
出演
- ダヌーシュ、アマラー・ポール
あらすじ
インドに住むラグヴァラン(ダヌーシュ)は、エンジニアを目指して大学を卒業した。だが多くの学生と同じく就活が上手くいかず、卒業して5年を無職で過ごした。
「役立たず」と家族に言われ続け、父親は就職できた3つ下の弟を大切にしているように思えた。唯一、ラグヴァランの母親だけは彼に優しい言葉を掛け続けた。
ある日、隣に女優のような美人の娘がいる家族が引っ越してきた。だがラグヴァランはその娘を見たことがない。そこでボールを投げ込んでお隣へ入り込むことに成功した。隣の奥さんとはテレビドラマ鑑賞の友達になった。
肝心の娘さんは働きに行っており、しかも医者の父親の2倍の稼ぎがあると聞かされた。無職の自分に関心をもつはずがないのは、数学の得意なラグヴァランにはすぐに計算できた。
落ち込むラグヴァランは、弟が車を買ったのを知りさらにダメージを受けた。やけくそで友人と飲みに行き、泥酔状態で電動アシスト付き自転車に乗って帰路についた。
当然の結果と思われるが、車と衝突してしまった。車を運転していたのは隣の娘シャーリニ(アマラー・ポール)だったが、顔を見たことがないラグヴァランは、誰だか分からない。
シャーリニの方は、これが隣人だとすぐに気付いた。大丈夫だと千鳥足で歩き始めたラグヴァランを、仕方なくシャーリニも付き添って歩いて帰ることにした。
隣の娘と知らないラグヴァランは、隣に可愛い子がいることを話し始めた。翌朝、母親から隣のお嬢さんに送ってもらったことを知らされた。
シャーリニの母親はラグヴァランから直接色々な話を聞いていた。それを伝え聞いたシャーリニは、どうしようもないバカ男としか思っていなかったラグヴァランの印象を、次第に好感へと変えていった。
お勧めポイント
インド発の青春・ヒューマン・サクセス・ドラマです。
例によってインド映画ですから133分の大作です。見始めてすぐに、そういえばダンスはないのかと思った頃に、やはりダンスが始まりました。133分は決して長く思えません。
最近、インド映画を観てなかったのかと思いましたが、画面の隅に妙な文字が所々で表示されます。これは何でしょうか?これが登場するシーンを注意して見ていれば、推測はつくと思います。喫煙、飲酒シーンで登場します。
後半のシーンにありますが、『毎年50万人卒業するが、就職するのは4万人』という超就職難のようです。12人に約一人しか就職できないということです。もっとも本作の主人公のように、自分の専門分野を活かせる仕事を探している人も多いと思われます。
そして隣家の娘シャーリニのように、ラグヴァランをいつも支えてくれる人の存在も大きいと思います。その人のために一生懸命働くことも大切ですね。
物語の前半は、ラグヴァランの人生が急上昇していく姿が描かれています。これだけでも元気をたくさんもらえます。さらに後半では、インドの『半沢直樹』を思わせる展開です。ラグヴァランたちを邪魔する企業へ、倍返しの報復は痛快でしかありません。
昨今、日本でも乗っている人が増えた電動アシスト付き自転車を主人公が愛用している姿も微笑ましいです。
夏の終わりも感じ始めれる今日この頃に、本作で熱い思いを感じとってみてください。
ポイント
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★
スッキリ度 ☆☆☆☆
感動度 ★★★★


