作品名
「モガディシュ 脱出までの14日間」 ‘21年度作品
監督
リュ・スンワン
出演
- キム・ユンソク
- チョ・インソン
あらすじ
1991年アフリカ諸国で、国連への正式加盟を目指していた韓国大使館のハン(キム・ユンソク)や新任のカン(チョ・インソン)はルビー活動を精力的に推進していた。
一方、北朝鮮の大使館員たちは韓国の加盟を阻止すべく、反対活動を推進していた。
突然、ソマリアの首都モガディシュで、独裁的な政府への不満が爆発し、クーデターが勃発した。危険を感じた各国大使はソマリアから国外脱出を決めた。
韓国や北朝鮮の大使館も同じことだったが、クーデターにより電話が繋がらなくなってしまった。おまけに反政府軍が大使館を取り囲んだ。
外交ルートが少ない北朝鮮大使館員は中国大使館を頼り、家族を含む関係者で脱出を試みた。しかし反政府軍に妨害されて大使館へ戻ることもままならない状況に陥ってしまった。他に頼るところもなく、同朋の韓国大使館へ助けを求めてたどり着いた。
普段であれば追い返す韓国大使館員であったが、女子供を連れて路頭に迷っている同朋を無視することは出来きず、大使館へ受け入れた。
韓国大使ハンとカンは、イタリア大使館に助けを求め、母国からの正式依頼もあり、イタリア大使館員と共に脱出できることになった。
あとは、韓国大使館からイタリア大使館へどうやって移動するか、その方法を考えることだ。気掛かりなのは、脱出に成功しても北朝鮮の人たちをどうするかが残されていた。
でもまずは生きて脱出することが最優先課題だ。そのためには韓国大使館員と北朝鮮大使館員が力を合わせて、それぞれの家族を守りながら、イタリア大使館へたどり着くことだ。
モガディシュから両国の人々は無事に脱出することができるのでしょうか?これは実話を基にした物語です。
お勧めポイント
民族や文化が違う国同士が、互いを認め合うことは本当に難しいものです。何世紀にも及ぶ境遇の違いから、まるで思想が違っています。
たとえばシマウマは、『白地に黒線』なのか、『黒地に白線』なのか、これは人によって自分が正しいと思っていた方を常識だと思っている人が多いです。でも正反対のものを常識だと信じる人を知ると、本当に驚いてしまいます。
今回の物語では言葉が通じるだけ、お互いを理解し合うのは容易になっているのかなと思います。また根底にある気質も似ているのかなと思います。だって一つの国が突然二つの国に分けられてしまったのですから。
劇中でいくつかのエピソードが登場します。一緒に食事をするシーンでは、出された食事に毒が入っているのではないかと心配したり、でも安心して食べ始めたら、箸を使って忖度するシーンなどは、同じく箸を使う私たちには、”あるある”と笑ってしまいます。
シーンによっては決して笑えない場面もあるのですが、それを笑えるように演出されていて、ほとんどのシーンは明るく楽しませてくれます。
そして最後は、他の物語と同じように、感動させてくれます。
世界各地で戦争、あるいはその前兆が繰り広げられています。また自然災害も待ってはくれません。冒頭に書きましたように、お互いを100%理解し合えるのは難しいことですが、少なくとも一般市民が笑って暮らせる日々が世界中に広がりますように、そう願う私です。
どうぞこの一年も健やかにお暮しください。
ポイント
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★
スッキリ度 ☆☆☆
感動度 ★★★★


