No.705 花まんま
作品名
「花まんま」 ‘25年度作品
監督
前田 哲
出演
- 鈴木 亮平
- 有村 架純
あらすじ
加藤俊樹(鈴木 亮平)とフミ子(有村 架純)は、大阪下町に住む仲の良い二人きりの兄弟だ。
父親は俊樹が小さい頃に亡くなった。俊樹は、その父の言いつけを守ってフミ子を一生懸命に守ってきた。さらに父親の代わりに無理を続けた母親も俊樹が高校生の時に亡くなってしまった。フミ子には父親の思い出は何一つなく、覚えているのは俊樹が一生懸命に守ってくれたことと、俊樹から聞かされた父親とのエピソードだけだった。
そのフミ子に結婚が決まった。父親代わりの俊樹にとっては複雑な思いだった。相手はフミ子が事務員として働いていた大学でカラスを研究している中沢太郎という男だった。
フミ子には不思議なところがあった。加藤フミ子ではない人間の記憶があるようだった。小さい頃、ある日突然、フミ子の雰囲気が変わり、心配した俊樹が盗み見したフミ子のノートには、繁田喜代美という名前がたくさん書かれていた。
時が流れていく中、俊樹の記憶からもフミ子の不思議なところは忘れ去られていた。フミ子も成長と共に不思議なところは見掛けられなくなっていた。
結婚式が近づいたある日、フミ子は婚約している中沢太郎に重大な秘密を打ち明けた。太郎が驚いてイスから転げ落ちるほどの内容だった。
お勧めポイント
ファンタジーなヒューマンドラマです。
物語が始まってしばらく進むと、訳が分からないシーンが断片的に登場します。これは何を意味するの?これは誰なの?という連続です。でもそれが何を意味するのか、点が線になって繋がっていくと、そういうことかと納得でき、それと同時に「え、そうなの?」と思える全貌が分かっていきます。太郎さんがイスから落ちるのも納得できます。
笑えるのが太郎さんはカラスと会話が出来るということで、何度かそのシーンが登場します。最初は俊樹が言ったように「こんなの何の役に立つの?」と思えましたが、この作品では何度か役に立ちました。
大阪の下町が舞台ということで、俊樹、フミ子と共に大阪弁をしゃべります。俊樹はコテコテの大阪弁です。ノリも同じで「そんなアホな」と言いたくなるところが多いです。しかし物語の後半、俊樹の良さが分かってきます。よく噛んだスルメの味のようです。特に結婚式当日からの一連の行動、言動は涙を誘います。俊樹のスピーチは本当に長いです(笑)。でも父親代わりのフミ子の結婚式だから、リアルにこんな感じかなと思います。
しかしですよ、それよりも、結婚式後のシーンが本当に泣けます。俊樹は表情だけでしたが、その表情だけで十分です。よくやってくれた。その努力が報われたね、と言ってあげたいです。
鈴木亮平さん、有村架純さんの初共演ですが、どちらも良い味を出されてます。どちらも兵庫県出身で大阪のノリは天性のものです。それ以外にもコメディの大御所が登場していたりと周りを固める俳優さんも個性たっぷりです。
今回の作品は書きたいことがたくさんあるけれど、出来るだけ前提知識がないまま物語の流れに沿って分かっていくのが一番だと思います。
寒い日が続くようになりましたが、この作品で心から温まってください。作品名の「花まんま」が最後の最後まで泣かせてくれますよ。
ポイント
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★★
スッキリ度 ☆☆☆☆☆
感動度 ★★★★


