No.709 かくかくしかじか
作品名
「かくかくしかじか」 ‘25年度作品
監督
関和 亮
出演
- 永野 芽郁
- 大泉 洋
あらすじ
宮崎に住む林明子(永野芽郁)は、幼い頃から絵が上手いと周囲から持て囃されて育った。本人もそれを自負していた。
高校生になった明子は美大へ進学することにした。美術の先生は明子の絵には一目をおいており、生まれついてのお調子者である明子は勉強などしなくても美大へ行けると自惚れていた。しかしクラスメイトが絵画教室へ通っていると聞き、しかも月謝5,000円の安さに惹かれて、念のため通うことにした。
絵画教室の先生は日高(大泉洋)といい、その教室は明子が思っていた、楽しく絵を描く場所ではなく、スパルタ教育の場所だった。しかも明子が持参したデッサンを日高先生は「へたくそ」と言い放った。
やる気をなくして仮病を理由に早退を試みた明子だったが、日高先生はバス停まで体調の悪い明子を負ぶって行ってくれた。おまけに次のバス到着まで明子と共に待ってくれた。日高先生が明子へのお手本に描いたデッサンは、明子が知っている手法とは別次元のものだった。高校の美術教師も日高先生の名前を知っていた。ともかく続けることにした。
日高先生のスパルタ教育で、明子の腕前は飛躍的に上達した。いよいよ受験する大学を決める時期が来た。明子は東京学芸大学と金沢美術工芸大学に受験すると決めた。日高先生は明子に「画家になれ、お前ならなれる」と明子の才能を認めた。だが明子が成りたかったのは、小さい頃から「少女漫画家」だった。だがそれを日高先生には言えなかった。
お勧めポイント
漫画家の東村アキ子先生の自伝を映画化したものです。
物語の前半は、東村アキコ先生の作品らしいドタバタ喜劇です。各シーンの描き方も作風を実際にやってみました、という連続です。さらに笑えるのが主人公の自惚れの強さを表すネタです。大学センター試験攻略方法ですが、主人公が考えたのは”それはネタですか?”と言いたくなるような方法です。実は私もこれを勉強したことがあります。これは人によって素晴らしい攻略方法かもしれません(汗)さらに受験大学の選定理由も笑えます。それらを怒りもせずに認める日高先生は偉大な人です。
あらすじでは物語の前半を書きましたが、後半は感動するシーンが登場してきます。これは東村先生の作風とはちょっと違うと思いますが、映画『海月姫』(くらげひめ)【こちらも東村先生の作品を映画化したもの】にも繋がる、映像としての東村先生の作風でしょうか。
絵の世界だけでなく、スポーツの世界でもコーチというのは、選手の掛け替えのない存在です。練習や特訓を通じてコーチが、いつも言うセリフが存在します。それを聞くだけで選手は持って生まれた資質をプレッシャーに負けずに羽ばたかせることができます。この物語でも日高先生が日々言い続ける言葉を思い出した時、生徒さん達は資質を再燃焼させます。そのシーンが本当に泣けます。
私は偶然にも東村アキコ先生が売れ始めた頃の作品をリアルタイムで読んでました。『ひまわりっ 〜健一レジェンド〜』という作品です。ここでも日高先生を連想させるキャラクターが登場してましたので、懐かしく感じました。大泉洋さんはキャラクターが実物になったと思えるほど似てます。また明子のジャージー姿もよく描かれてました。ネットで東村アキコ先生の写真を探してみてください。和服姿のいで立ちは、永野芽郁さんの劇中での和服姿にそっくりです。
親と恩師は話したいときには、いないもの。それを東村先生はこの物語の随所で表しています。あとで思えば、あの恩師に巡り合えた奇跡が、すべての奇跡へと導いてくれたと思っている人は数多くいると思います。今は気づいていなくても、あなたもその一人ではありませんか?
明日もがんばルンバ!
ポイント
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★
スッキリ度 ☆☆☆
感動度 ★★★★


