No.714 世の中にたえて桜のなかりせば
作品名
「世の中にたえて桜のなかりせば」 ‘22年度作品
監督
三宅 伸行
出演
- 岩本 蓮加
- 宝田 明
- 吉行 和子
あらすじ
咲(岩本蓮加)は、登校拒否中の高校生だ。でも引きこもりではないので、バイトをやっている。バイトは「終活サポート」だ。
バイトは咲と85歳になった敬三(宝田明)の二人だ。依頼してくるのは、風変わりな要件の人が多い。
例えば、「生まれてくる子供のために遺書を書きたい」という人だ。仕事で遠地へ行く前に遺書を書いておかないといけない。でもどう書いたらいいか分からないので、サポートして欲しいということだった。
ある人は、川に関わる仕事を長年やってきたので、その記録を映像にして残したいというものだ。咲と写真撮影が得意な咲の同級生で現地撮影に同伴したが、その人が指定する場所に、川は見当たらない。どうしてここを写すのか分からないまま、依頼者の指定した場所の撮影を続けた。
敬三も中学生の時に不登校だったことを咲は知った。勉強嫌いだった敬三が司法書士になれたのは、同級生で現在の敬三の妻(吉行和子)のおかげだった。二人で見た学生時代の故郷の桜の木を、もう一度見てみたいと言い出した。妻は病気で、故郷までの長旅が叶うはずがないのだと嘆いた。
咲は敬三から桜の木があった場所を詳しく聞いた。何十年も経った今、桜の木がどうなっているか分からない。ともかく咲は、その木を探してみようと、写真の得意な同級生と一緒に、その場所に行ってみた。
お勧めポイント
乃木坂46の岩本蓮加さん主演のヒューマンドラマです。そして彼女を支えるベテラン俳優の宝田明さんと吉行和子さんが共演しています。
物語の前半は、不思議な依頼者たちについてのショート物語です。依頼時はどうしてなのかと思える内容が、ご本人にとっては深い意味が込められているのが分かります。
人生で桜の花を見る機会は、何度あるのでしょうか?この物語の中でも年数でいえば30年から50年というところでしょうと語られています。桜の花を一度も見ることもなく過ぎた年もあることでしょう。
桜の花は人間よりずっと高い所で咲きます。その理由はどうしてでしょうか?その意味の一つを、この物語の後半で教えてくれます。だから桜の花を見たくなるのでしょう。
この物語には、何かに傷ついた人たちが登場します。咲の国語の先生や咲自身です。この先生の事件は、そのシーンを観るだけで深い動揺を感じさせます。咲がそれに傷ついたのもよく分かります。
本当に綺麗な、立派な、桜の木が登場します。目の前にこの木があれば、咲と同じように、その樹に手を差し伸べて、樹からの鼓動を感じたいなと自分も思います。
最初にご紹介した遺書を書かないといけなくなった人ですが、前半にもそのヒントが出てきます。それに気づけなくても物語の後半で、はっきりとその理由がわかるようになってますので、ご安心ください。
この物語を観たら、桜の花を見たくなります。そして桜の花を見上げながら、個々で思い浮かべることがあると思います。春はすぐそこまで来ています。今日から春の到来を楽しみにお過ごしくださいね。
ポイント
笑える度 ★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★
スッキリ度 ☆☆
感動度 ★★★


