No.718 あまろっく
「あまろっく」 ‘24年度作品
中村 和宏
尼崎に住む近松竜太郎(笑福亭鶴瓶)のところに、リストラされた娘の優子(江口のりこ)が戻って来た。
不貞腐された優子は、着の身着のままの生活を送っていた。ある日、竜太郎が再婚相手だと、早希(中条あやみ)を連れてきた。
早希は二十歳。65歳の竜太郎は再婚で、39歳の優子にとっては年下の母親の登場になる。早希は温かい家庭に憧れていて、かなり年上の竜太郎の優しさに惹かれていた。
面白くないのは優子だ。悠々自適に生きようと思っていた矢先に、目障り、耳障りな、しかも年下の早希が、何かにつけて気に障る。
そんなある日、竜太郎が突然死んでしまった。竜太郎が経営する工場を、どうやって立て直すか、残された優子と早希は、二人で生きるしかなくなった。
映画の舞台になっているのが兵庫県尼崎市です。ここで生まれ育った人は”尼っ子”と呼ばれます。特に女性は自ら、そう言う人が多いです。
江口のりこさんは兵庫県、中条あやみさんは大阪市の出身です。どちらも尼っ子ではありませんが、バリバリの大阪弁を喋れる人です。
あまろっく(尼ロック)というのは、尼崎にある水害から守る閘門(こうもん)のことです。これを英語読みだとLock (ロック)になります。でもその存在を知っている人は少ないです。私も知りませんでした。シーンでも出てきますがパナマ運河と同じ仕組みです。そんなことを何も知らなくても、尼崎に住んでいる市民は尼ロックで水害から守られているのです。
この作品の二人も竜太郎に産まれた時から、知り合った時から、守られていたのです。いなくなって初めて、その存在に気づかされるのです。
尼崎の風景、駅前にお城が再建されていたのは驚きました。私もよく行ったあの場所、この建物、懐かしさで一杯です。この思い出に私も守られているのですね。
若い二人が人生の節目を迎えるシーンが数多く登場します。いずれも涙腺を緩ませます。特に優子さんのような気丈に振る舞う女性は、尼崎に多いかなと思います。「人生に起こることはなんでも楽しまな」というセリフは、そのとおりです。
気候もよくなってきました。晴れた日は、ちょっと散歩に出かけてみませんか?尼崎城もお勧めですよ(笑)ちょっと難しい人は本作で楽しんでください。
笑える度 ★★★★
ファイト度 ☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★★
スッキリ度 ☆☆
感動度 ★★★
