配信

No.531 終わりで始まりの4日間

作品名

「終わりで始まりの4日間」 ‘04年度作品

監督

ザック・ブラフ

出演

  • ザック・ブラフ
  • ナタリー・ポートマン

あらすじ

 アンドリュー(ザック・ブラフ)は久しぶりに故郷ニュージャージーに帰
ることにした。長らく故郷に帰らなかったのは理由があった。母親の事件で
父親と確執があったからだ。
 
 アンドリューは少年の頃、誤って母親を障害者にしてしまった。それで精
神科医である父親から安定剤の薬漬けにされてしまった。大人になったアン
ドリューは故郷を離れ、父親や兄弟と距離を置くようになった。
 
 大人になったアンドリューは売れない役者をやっていた。相変わらず安定
剤を飲んでいて幻覚を見ることが多かった。何事にも関心を示さない無表情
な大人になっていた。
 
 今回、故郷に帰ることになったのは、母親が亡くなったと聞いたからだ。
数日で帰るつもりで帰郷したアンドリューは、ひょんなことからサム(ナタ
リー・ポートマン)という女の子と知り合った。サムもアンドリュー同様に
どこか変わった処がある女性だったが、不思議とサムと気が合った。
 
 

お勧めポイント

 独りで生きるのは
 
 この作品はレオンに出ていたナタリー・ポートマン出演のラブストーリー
というだけで観ました。一言でいえば、スルメのように噛めば噛むほど、繰
り返し観れば見るほど、その良さが判ってくる作品です。
 
 主演の二人はどちらもちょっと変わっています。でも物語が進むにつれ
て、活き活きとした表情に変わっていくのに気付き、観ている人も引き込ん
でいきます。
 
 人は独りで生きていくのはとても辛いけれど、誰かと生きていくのは重く
感じて一人のほうが気楽と感じることがあります。でも性格は違っていても
どこか感性の合う人に巡り合えたなら、こんなうれしいことはありません。
 主人公は正にこの体験をします。
 
 自分が母親を廃人にしたとの思いがある主人公は、父親や兄弟と距離をお
いて暮らします。本当はきちんと話をすれば良かったのですが、それさえ出
来なくなっていました。サムと出会って心境に変化があった主人公は、父親
や兄弟と向き合う気になります。話してみると父親も兄弟も良い処があるの
に気付き、長年の隔たりが無くなっていきます。
 
 ラストが良いです。階段のシーン、電話ボックスのシーン、いずれも心に
残るものです。涙が出てしまいます。
 
 面白いのが、泳げないアンドリューを茫然と立ち泳ぎで見守るサムと友人
たちです。本人がカナヅチと言わないので、どうしたのかとただ待っている
姿が異様です(笑)
 
 本作は劇場未公開で、主演のザック・ブラフが監督、脚本もこなしていま
す。ナタリー・ポートマンにとっても大人の女優として高く評価された一作
です。
 
 秋の夜長はぜひこの作品を楽しんでください。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★