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No.522 東京裁判

作品名

「東京裁判」  ‘83年度作品

監督

小林 正樹

出演

  • 佐藤 慶(ナレーター)

あらすじ

 1945年7月ポツダム宣言が発せられた。
 同年8月15日天皇陛下の詔勅により終戦した。
 9月2日には戦艦ミズーリにて降伏調印式が行われた。
 
 来日したマッカーサー元帥は戦犯の処罰を真っ先に考えた。それは日本国
民に時代の変革をアピールするのが狙いだった。
 
 1946年5月3日、戦犯として28名が指定された極東国際軍事裁判、つまり
東京裁判が世界中の注目の中、開始された。
 
 

お勧めポイント

 この作品をご存じでしょうか?
 
 内容についてどう思われるかは、ご覧になられて自ら感じてとってくださ
い。人によって感じるものは違うと思います。
 
 この作品は東京裁判をドキュメンタリーで描いたものです。しかし裁判の
模様以外に、戦前、戦後の時代背景を踏まえた当時の記録フィルムが多数流
れます。どうしてこのようなことになったのか、日本だけでなく世界各国の
動向を知ることができます。
 
 裁判のシーンでは本人の肉声を聞くことができる貴重なものです。
 東條英機被告の頭を後ろからパチンと叩く人がいるのには驚きました。こ
んな事件があったとは、この作品を観るまで知りませんでした。
 
 
 裁判は戦勝国を中心に進められていきます。通常の裁判のようにいかない
部分がたくさんあって裁判は長期化します。1946年5月3日から始まって
1948年11月12日まで2年半に及ぶものです。
 
 普通の裁判であれば、被告の審議から始まるところです。しかし戦犯の裁
判では、まず裁く側にその権限があるのかを審議するところから始まるよう
です。また、言葉による不利を減らすために日本側の弁護団にアメリカ人弁
護人も任命されます。昨日までの敵を本気で援護するのだろうかと思われる
かもしれません。その状況はぜひ実際のやりとりを注目してください。
 
 アメリカ式の裁判では冒頭で被告自身が有罪か無罪かを宣言しますが、こ
こでもその方式に慣れない被告には一波乱あります。
 
 さらには裁判長と弁護人との確執やら裁判のあり方までいろいろな事態が
発生します。
 
 
 さきほど、多数の記録フィルムで時代背景が解説されると書きましたが、
なかには直視できない残酷なものも含まれています。本作以外で見たことが
ない映像がたくさんありました。たいへんショッキングなものもありました
が、このような事実を知ることができて良かったと思っています。
 
 DVD2枚、277分に及ぶ大作ですが、決して長く感じません。裁判、各国の
動向のいずれも興味深く、とても勉強になりました。
 
 終戦日前日であり、大きな話題でもある今日この頃、全編記録フィルムの
編集から成るこの作品をぜひご覧ください。

ポイント

笑える度 :★
ファイト度:☆
ほのぼの度:★
スッキリ度:☆
感動度  :★★