作品名
「のぼうの城」 ‘11年度作品
監督
犬童 一心
出演
- 野村 萬斎
- 榮倉 奈々
あらすじ
豊臣秀吉の天下統一も目前に迫り、残るは北条氏のみとなった。秀吉から
北条征伐を言い渡された石田三成は、同友の大谷吉継と共に小田原へ進撃し
た。
北条氏と同盟を結んでいる忍城を石田三成の軍勢2万が取り囲んだ。対す
る忍城は5000の兵しかいない。しかも急遽城主になった成田長親(野村 萬
斎)は“でくのぼう”と囁かれる、およそ城主に相応しくない人物だった。
農民たちも面と向かって“でくのぼう”と呼ぶわけにはいかず、“のぼう様”
と茶を濁して呼んでいた。
石田三成は勉学の才はあるが、武勇については豊臣家臣から蔑まれてい
た。少しでも武功を立てさせてやろうという秀吉の親心で、楽勝の戦に任命
したのだった。
忍城に勝てる見込みはなかったが、豊臣秀吉の高松城水責めを見ている石
田三成は、開城ではなく、あえて戦をするように成田長親を挑発した。自分
も壮大な水責めをやってみたかったのだ。“のぼう様”に相応しく成田長親
は、その挑発にまんまとのってしまった。
“のぼう様”はその温厚な人柄で皆から好かれていた。甲斐姫(榮倉
奈々)もその一人だった。農民たちはほぼ全員城内に入り“のぼう様”と共
に戦うことを決めた。
お勧めポイント
これは史実に基づくお話です
「忍ぶの城」で新人脚本賞を受賞した和田竜さんは、この脚本の映画化を
望んでいました。でも壮大な物語を映像化する費用は集まりませんでした。
それで脚本を元にした小説を発表したところ、こちらも大ベストセラーにな
りました。これで映画化が現実に成り、撮影が開始されました。そして完成
し、劇場公開が告知されました。その時に東日本大震災が発生しました。本
作には水責めという震災を思い出させるシーンが含まれています。それでさ
らに1年半公開が延期されました。
私にとっては小説を読んでから4年間公開される日を待ち続け、公開当日
朝一番に観たのを覚えています。
一番難しいのは“のぼう様”と呼ばれる成田長親を誰が演じるかでした。
“でくのぼう”でありながら人徳があり、気弱なようで芯の通った人物で
す。これに相応しいのは誰かと考えていましたが、野村萬斎さんはピッタリ
です。作品を観てさらにその出来栄えに驚きました。
そして佐藤浩市さんら脇を固める面々も個性豊かな役者さんが勢ぞろいし
て本当に全編楽しいです。役柄でも3人の型破りな武将の活躍に心浮かれま
す。痛快とはこのことを言うのでしょう。
史実に基づく物語と言いましたが、合戦場所など実際に訪れたくなりま
す。エンドロールで現在残っている跡地が映し出されます。これもよくご覧
ください。
さて本作は今週末にBSで放映されます。以前地上波でも放映されました
が、まだご覧になっていない方は、ぜひこの機会にご覧ください。145分は全
然長く感じません。
ポイント
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★★


