作品名
「声をかくす人」 ‘11年度作品
監督
ロバート・レッドフォード
出演
- ジェームズ・マカヴォイ
- ロビン・ライト
あらすじ
1865年南北戦争は北軍の勝利で終わった。北軍の大尉として従軍したフレ
デリック(ジェームズ・マカヴォイ)は戦争の英雄だったが弁護士に戻るこ
とにした。戦争を忘れたいのと許嫁との幸せな生活を望んだからだ。
平和もつかの間、北軍を支援したリンカーン大統領が南軍残党に暗殺され
てしまった。主犯は逃亡後に撃たれて死に、共犯者は次々に捕まえられた。
その共犯者にジョン・サラットの名前が挙げられた。ジョンは逃亡したが、
その母親のメアリー・サラット(ロビン・ライト)が犯人たちに宿を提供し
ていたことから捕まえられた。
容疑者たちの裁判が始まった。だが裁判とは名ばかりで、実質は軍法会議
に近いものだった。この裁判に関わる人たちは北軍関係の人ばかりで、全国
民が注目する中、一刻も早く処罰を実行したいと考えていた。
この裁判でメアリー・サラットの弁護をフレデリックが担当することにな
った。それは彼が望んだのではなく、恩のある上院議員から頼まれたから
だ。
あまりにも決めつけた裁判のやり方に正義感の強いフレデリックは反感し
た。メアリーの誠実さにも好感をもったが、彼女の無実を証明するにはあま
りにも状況が悪かった。だがフレデリックは必死で弁護を続けた。しかしそ
れは北軍の英雄であったフレデリックさえも敵対視されることになった。
お勧めポイント
声を隠すのは誰のため何のため
リンカーン大統領暗殺事件の史実をロバート・レッドフォード監督が描い
た感動作です。
容疑者は圧倒的に不利な状況であり、フレデリックの個人的な感情さえも
抑えなければならない。それでも弁護士としての職務と持ち前の正義感を欺
くことは出来ず、自分の信念のままに行動していきます。
証人として出廷する人々は、偽証であったとしても有罪に有利な発言を繰
り返します。フレデリックはそれを必死に撤回していきます。さらに予め言
質をとった弁護側の証人さえも裁判では不利な証言をします。
メアリーは無実を主張するものの、自分を弁明することはしません。犯罪
に加担した息子を止められなかった自責の念に囚われているのでした。
フレデリックはメアリーの無実を証明するために、息子のジョンにのみ罪
があると弁護していきます。その結果、メアリーや彼女の娘の気持ちを傷つ
けることになります。またフレデリックの許嫁も世間から疎外されていくフ
レデリックに不満がうっ積していきます。その中にあってもフレデリックの
信念は変わりません。
メアリーの息子であるジョンとフレデリックが会話するシーンは印象に残
ります。母親と息子の絆とは何だろうかと考えてしまいます。
ジョンも捕まって裁判を受けることになるのですが、こちらの判決はどう
だったのでしょうか。時代は変る。よく言われる言葉ですが、良い方向に変
わって頂きたいと願います。
これは史実に基づいて再現した物語です。
この週末はどうぞこの作品をお楽しみください。
ポイント
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆☆
感動度 :★★★★


