作品名
「よりよき人生」 ‘11年度作品
監督
セドリック・カーン
出演
- ギョーム・カネ
- レイラ・ペクティ
あらすじ
パリに住むヤン(ギョーム・カネ)は、自分のレストランを夢見ながら学
食で働いていた。たまたま求職で訪れたレストランでウェイトレスのナディ
ア(レイラ・ペクティ)と知り合った。ナディアは移民で息子が一人いた。
ある日親子三人で遊びに行った湖畔で、レストランに出来そうな空き家を
発見した。思い立ったヤンはレストランのオープンを決めた。当然まとまっ
た金はなく、銀行でローンを組むことにした。ヤンの返済計画に銀行も快く
融資してくれることになった。レストランがオープンすれば、親子三人のバ
ラ色の生活が待っていた。
当初の予算でうまくいくはずだったが、消防署の建物検査が通らず、さら
なる金が必要になった。おまけに釘を刺されていたにも関わらず、消費者ロ
ーンからも借りたのを知った銀行は、ヤンをブラックリストに入れた。こう
なっては他の公的金融機関から追加融資を望むこともできない。
ヤンは所有権だけを残して経営は友人に譲ってその場を凌いだ。追い詰め
られたナディアは、息子をヤンに預けたままカナダへ出稼ぎに出た。やがて
ナディアからの連絡は途絶えた。借金だらけになったヤンの生活に余裕とい
う言葉はなく、真面目だったスリマンまで捻くれるようになってしまった。
お勧めポイント
1シーンなら悲しく見えても、数シーンなら楽しく思えるのが人生
クレープ一枚買えない生活にも、一人息子は文句を言わずに母親に縋りつき
ます。でもその母親までも音信不通になってしまい、ヤン達の心は荒れていく
一方でした。自分自身も里親に育てられたヤンは、スリマンの言動に腹を立て
ながらも必死に彼を守ります。
自分のこと以上にスリマンの人生を思い悩んだヤンは、二人の人生を掛けた
思い切った行動に出ます。決して褒められた行動ではありませんが、その甲斐
あってスリマンの母親ナディアに再会することが出来ます。消息不明になって
いたナディアがいた場所はどこでしょうか?どうしてそんな場所にいること
になったのでしょうか?物語はヤンとスリマンを中心に進んでいきますが、ナ
ディアも一生懸命に生きていたのです。
この作品の良い所は、ハッピーエンドで終わることです。辛いことばかりが
描かれていてこのまま終わるのは哀しすぎると思っていました。でもそうでは
ないので、どうか最後までヤン、ナディア、スリマンの物語を見守ってあげて
ください。
自分のレストランを持つのがヤンの夢でした。その夢はまだまだ叶わぬもの
でしたが、その代わりにヤンは新しい夢を見つけたのです。
フランスからのヒューマンドラマを、この週末にお楽しみください。
冬の寒さも温かく感じる作品です。
ポイント
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★★


