配信

No.461 私がクマにキレた理由(わけ)

作品名

「私がクマにキレた理由(わけ)」 ‘07年度作品

監督

シャリ・スプリンガー・バーマン

出演

  • スカーレット・ヨハンソン

あらすじ

 大学を卒業したアニー(スカーレット・ヨハンソン)は、証券会社のCF
Oになるべくニューヨークのマンハッタンへ就職試験に向かった。
 
 ところが面接で「自分はどんな人間か?」と問い掛けられ、何も答えられ
なかった。おまけに自分の目指す道に疑問を感じてしまった。
 
 セントラルパークで茫然としていた処で、たまたま助けた子供の母親は、
アッパー・イーストサイドに住むセレブだった。さらにちょっとした誤解か
ら、子守(ベビーシッター)だと思われ息子のグレイヤーの子守に採用され
ることになった。
 
 就職に失敗して落ち込んでいたアニーは、これでマンハッタンに住むこと
が出来ると考え、親には証券会社へ就職したと嘘をついて、子守の仕事を始
めた。
 
 始めてすぐに驚いたのが、セレブである婦人ミセスXの暮らしぶりだった。
セレブの集まりやボディケアなど、毎日どこかへ出掛けて、息子のグレイヤ
ーのことは子守のアニーに任せきりだった。その割には細かくグレイヤーの
育て方をメモで書き残した。
 
 おまけに住み込みだったアニーの生活は、子守に明け暮れて、母親との連
絡も出来ない日々が続いた。
 
 私利私欲も我慢して可愛いグレイヤーのために働いたアニーだったが、ち
ょっとしたことから解雇されてしまった。
 もはや、アニーの堪忍袋も限界に達した。
 
 

お勧めポイント

 「幸せへのキセキ」などでお馴染みのスカーレット・ヨハンソンさん主演
のコメディ作品です。
 
 「自分はどんな人間ですか?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?
また、そのとおりに生きているのか疑問な方もおられると思います。
 この作品の主人公も就職面接を受けるまでは、母親のいうとおりに、自分
は証券会社に入って、エリートの道を進んでいこうと思っていました。
 それが子守をしながらセレブの暮らしを眺めてみると、自分の思っていた
世界とはまるで違うことに失望します。
 
 物語はアニーを中心に進行していきます。登場人物の名前は、ほとんどア
ニーが考えたペンネームで紹介されるのが笑えます。
 セレブの婦人も最初は「ミセスX」でした。でもアニーへの人間味溢れる
対応が進むと、本当の名前が明かされていくのが面白いです。最後までペン
ネームの方もおられますが。
 
 「ナニー・カメラ」ってご存知ですか?「ナニー」は「子守」という意味
だそうです。子守を監視するカメラのことです。
 実際のニュース放送でも、子供を虐待したベビーシッターがその映像と共
に紹介されることがあります。カメラが必要な点からも、雇い主であるセレ
ブと雇われた子守の間に信頼関係が薄いことが判ります。この作品を観て、
その辺りの事情がよく判ります。
 
 さてこの作品名「私がクマにキレた理由」の「クマ」って何でしょうか?
作品を観るまで疑問でした。物語が始まってもなかなか判りません。終盤に
なってようやく「クマ」って何のことか、この作品名に納得しました。面白
い邦画名です。
 
 物語の最初に博物館が登場し、世界での暮らしぶりが紹介されます。そし
て物語の最後で、人物学者が思う「自分の世界を理解する方法」が紹介され
ます。なるほどと思いました。
 
 全体を通じて笑える作品です。ちょっと涙も出そうになる作品です。ミル
クセーキーでも飲みながらご覧ください。
 

ポイント

笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★