作品名
「トン・マッコルへようこそ」 ’05年度作品
監督
パク・クァンヒョン
出演
- シン・ハギュン
- チョン・ジェヨン
- カン・ヘジョン
あらすじ
1950年、朝鮮戦争の真っ最中。
平壌へ生還しようとする北朝鮮兵のリ・スファ(チョン・ジェヨン)たち
3人は、その途中でトン・マッコルという村にたどり着いた。
一般人を無視した命令に背いて脱走した韓国兵のピョ(シン・ハギュン)
は、途中で合流した兵と、同じくトン・マッコルにたどり着いた。
お互いの存在を気づくなり、トン・マッコルの村は戦闘状態になった。
だが村人たちは、戦争の事どころか、銃が何をするものかも知らないのだ
った。
一触即発の張りつめた空気は兵士だけで、村人たちは日常生活をしていた。
特に頭の弱いヨイル(カン・ヘジョン)は、無邪気に彼らに触れ合った。そ
の空気はやがて兵士にも伝わり、村では停戦状態になった。
兵士たちが村に馴染んだ頃、村に敵兵が潜んでおり、村を爆撃する計画を
知った。素朴な村と村人たちを守るため、兵士たちは村を出て、爆撃隊の誘
導作戦を決意した。それは北朝鮮軍でも韓国軍でもなく、村を防衛する兵士
たちであった。
お勧めポイント
韓国の2005年度興業成績1位に輝くヒューマンドラマです。
トン・マッコルは不思議な村です。外部から入ってくる情報が皆無のせいか、
村人たちは素朴です。「トン・マッコル」という村の名前も「子供みたいに純
粋」という意味から名付けられています。
特にヨイルという少女は、いつも飛び切りの笑顔を振り撒いて、この村名は
彼女を見て付けられたのでは、と思うほどです。
村には地蔵さんが多数あるのですが、これも不思議な温かみのある姿をして
います。
映画館で観たとき、前方の席に韓国人のおばあちゃんの団体が座られていま
した。村の風景には皆さん指さしながら声を出されてましたから、韓国の人に
は懐かしさを感じるものなのかもしれません。
この映画で一番笑えるのが、両軍の兵士たちが初めて出くわすシーンです。
お互いは必死なのに、その真ん中に挟まれた村人たちは、のんきにイノシシが
畑を荒らす話で盛り上がります。さらに老婆がうるさくて眠れないと兵士たち
に怒鳴ってきます。村人たちは普段の生活に戻る中、兵士たちはお互いをにら
みつけたまま、時間は過ぎていきます。この状況がどのように解決するのかは、
作品をご覧になって楽しんでください。
特撮作品のように、見とれてしまうシーンもあります。トウモロコシがポッ
プコーンになって空から降ってくるシーンやイノシシに村人たちが追っかけ
られるシーンです。スローモーションなので、口を開けたまま見入ってしまい
ました(爆)。
なんといっても感動するのが、兵士たちが村を守るために捨て身の誘導作戦
を実行するシーンです。これは泣いてしまいますね。間違いなく。
あと、米軍が村にやってきた時、兵士たちを自分の家族だと村人たちが庇っ
てくれるシーンも泣けます。もし戦争がなければ、兵士たちはこの村で村人と
して平和に暮らせたことでしょう。
兵士たちは生きることに必死で、空を見上げる余裕もなかったのに、この村
で空の青さを知ります。無邪気に遊ぶことを思い出します。これは私たちにも
通じます。晴れた日には空を見上げながら歩いてみませんか?いつもより45
度上を見ると、いつも歩く道でも景色が違うと思います。私はスズメの憩いの
場を見つけました(笑)。
久石譲さんの音楽も、いつもながらに聞き惚れてしまいます。この音楽がよ
り一層シーンを楽しませてくれます。
兵士たちが疲れて果てた後、気付いたら一人の若い兵士の耳に花が飾られて
います。何気なく見過ごしてしまうシーンです。最後にどのようにこの花が飾
られたのかを教えてくれますので、注意して見てくださいね。
この作品は、リンゴジュースなどフルーツ系のジュースが似合います。私が
毎日飲む野菜ジュースなんかも良いですね(笑)。
この週末は、この作品で素朴な童心に返ってみてください。
ポイント
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★★★


