作品名
「ハリーの災難」 ’55年度作品
監督
アルフレッド・ヒッチコック
出演
- エドマンド・グウェン
- ジョン・フォーサイス
あらすじ
田舎町バーモントで、ワイル(エドマンド・グウェン)はウサギ猟に出てい
た。ふと前をみると、見知らぬ男が倒れていた。さらに彼の額には銃痕と思わ
れる傷があった。ワイルの流れ弾は、誤ってこの男を殺してしまったのである。
動揺しているワイルの所に、男の子に先導された女性がやってきた。姿を隠
し状況を見守るワイルの前で、ミセス・ロジャース(シャーリー・マクレーン)
は死体を見るなり、話しかけた。なんでも死体の彼の名前は、ハリーと言うら
しく、彼女の夫であったらしい。しかし悲しむでもなく、来た道を何事もなか
ったように帰っていった。
次にワイルの元にやってきたのは、ミス・グレズリーだった。彼女は死体を
見ても動揺するでもなく、ワイルに話しかけてきた。ワイルの話を聞いて同情
したミス・グレズリーは死体のことを気にしないばかりか、ワイルをランチに
招待する約束をして帰っていった。
次々と現れる人々に、ワイルは少し隠れていることにした。隠れて眠ってし
まっている間に、今度は画家のマーロウ(ジョン・フォーサイス)がやってき
て、死体の肖像画を描いていた。
ワイルとマーロウは不測の事故だから悪戯に騒ぎが大きくなるのを危惧し、
死体を埋めることにした。
無事に死体を埋め、ホッとした矢先、ワイルはあることに気づいてしまった。
彼が発砲した弾は、看板、空き缶、そしてウサギに当っていた。ハリーへの流
れ弾を考えると4発発砲したことになるが、ワイルは3発しか撃っていない。
となると、ハリーの額にあった傷はワイルの弾ではないことになる。それで慌
ててハリーの遺体を掘り起こすことにした。
ハリーの災難は始まったばかりである。
お勧めポイント
アルフレッド・ヒッチコック監督のコメディ作品です。
ヒッチコック監督といえば、『鳥』、『サイコ』、『フレンジー』などのスリラ
ー作品が思い出されます。この作品もサスペンスドラマという内容ですが、一
番の見所は、何度も埋められるハリーの災難を面白おかしく描いた点です。
不思議な村人たちが出てきます。彼らは死体を見てもさほど驚くこともなく、
何もなかったかのように事態を収拾しようとします。唯一、保安官代理だけは、
数少ない事件で歩合制の金が手に入ると、やっきになって調査します。
当のハリーですが、作品名にもあるように、本当に酷い目に合います。たと
えば、引き摺られる、何度も埋められる、靴を盗まれる、裸にされる、などで
す。遺体になってから散々な目に合うハリーは、本当に災難の連続です。
特に面白いのが、ミセス・ロジャースの家で、なぜか突然開くドアです。あ
の中には何が隠されているのか?このシーンが何度かあるのですが、ヒッチコ
ック監督らしいユーモアです。
さて、この作品を楽しむに当たって、夏休みの課題を差し上げます(笑)。
【問題1】ヒッチコック監督はいずこに?
ヒッチコック監督と言えば、自分の作品に監督自身が登場するのが有名です。
この作品では、どこに登場したのでしょうか?
ヒントは、ほんの一瞬です。しかも遠くにいるので、ヒッチコック監督の顔
を知っていてもあまり意味がありません(笑)。登場人物で一番短く、遠くに
いて、セリフもない人です。
【問題2】結局、ハリーは何回埋められることになったのでしょうか?
こちらはノーヒントです。
以上、2問が夏休みの課題です。ちゃんと考えながら観てください(爆)。
ポイント
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★


