作品名
「おとなのけんか」 ’11年度作品
監督
ロマン・ポランスキー
出演
- ジョディ・フォスター
- ケイト・ウィンスレット
- クリストフ・ヴァルツ
- ジョン・C・ライリー
あらすじ
子ども同士がケンカし、一方の前歯が折れる事態になった。双方の親は、
恩弁に解決すべく会合を開いた。
加害者の父親アラン(クリストフ・ヴァルツ)と母親ナンシー(ケイト・
ウィンスレット)は、被害者の父親マイケル(ジョン・C・ライリー)と母
親ペネロペ(ジョディ・フォスター)の家にやってきた。
話は恩弁に進み、供述書もすんなり作成出来た。もっともその裏には、い
くつかの理由があった。それらを表面化させないためにも短時間での解決が
望まれていた。
話が円満に終わり、加害者の両親は玄関で、今まさに帰ろうとしていた。
そんな彼らを引き留めたのは、一本の電話だった。弁護士であるアランの携
帯電話が鳴り、アランが長々と電話を続けたのだった。
帰るきっかけを失ったアラン夫妻に、ペネロペは飲み物を薦めた。アラン
夫妻もその提案に賛成した。
しかし、この提案が悪夢の始まりだった。
あとに、人生最悪の日だと皆が思う惨事が彼らを待ち受けていた。
お勧めポイント
ロマン・ポランスキー監督によるヒューマンドラマです。
登場人物は、二組の夫婦です。4人がアパートの1室で会話する約80分が、
この作品の全てです。そのために4人の俳優は、オスカー受賞あるいはノミネ
ートの豪華キャストです。それぞれの会話がこの映画の全てですから、俳優の
演技力が重要です。有名な舞台劇を映画化したそうです。
最初は円満解決のようでした。それが被害者と加害者の家の立場からズレが
始まります。それから夫婦間のすれ違いが表面化し、互いの夫婦がケンカを始
めます。さらに男と女の考え方の違いからくる男対女のケンカになり、個々の
人間性に関する争いになります。
シーンによって、誰かの意見に賛成することもあれば、自分も耳が痛くなる
ときもあります。知らないうちに自分も参加してます(笑)。どのような言い
分があるのか、話をゆっくり聞かないと楽しめません。そういう点では、日本
語吹き替えでご覧になられた方が、話に入り易いかと思います。
最初は紳士淑女に見えた4人が、単なる酔っ払いになったり、下着姿になっ
たり、顔中をシワだらけにして怒鳴り立てたりします。
日本では酒席で本音トークをするというのがあります。この4人のその後は
描かれていませんが、きっと仲の良い関係に成れたでしょう。これだけ本音を
言い合えば、気心も十分に分かり合えたと思います。
さて、肝心の子供たちは仲直りするのでしょうか?映画の冒頭に問題のシー
ンがあります。そして映画の最後に、子供たちについての、その後が描かれて
います。
私は何回か、冒頭と最後を見比べました。でもどちらがどちらでも良いので
した。単純に最後を見るだけで、どうなったのか判ります。
子どものケンカに比べて、大人のケンカって、本当に性質が悪いですね。こ
んなことにならないように気をつけましょう(汗)。
日本語吹き替えでご覧になられた人は、英語で再度ご覧ください。英語が判
らなくても、冒頭と最後で話し方がまるで違うのが判ると思います。4人の俳
優にStanding ovationを贈りたいと思います。
ポイント
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★


