作品名
「人の善意を骨の髄まで吸い尽くす女」 ’09年度作品
監督
加藤 行宏
出演
- 山田 真歩
- 牧野 琢也
あらすじ
売れない演劇をやっているヤマダマホ(山田真歩)は、知り合いが作ったネ
ット動画が10万アクセスしたのを見て、自分もネットドラマを作ろうと考え
た。
映画撮影の経験は全くないが、得意の外面の良さで乗り切れると考えたマホ
であった。
友人で人の良いマキノ(牧野 琢也)を巻き込んで、マキノの知り合いの映
画関係者がいる埼玉県壊瀬で撮影を開始した。
撮影開始後、マホが原因で起こるトラブルが多発した。
まず発生したのが、撮影許可料として、1日3万円が必要なことだった。
そんな金がマホにあるはずもなく、無許可で撮影していると、たまたま映っ
ていたお祖父ちゃんが事故で亡くなってしまった。
このお祖父ちゃんの遺族が金持ちで、動画を譲って欲しいと頼まれた。これ
幸いと大金を要求するマホであった。撮影許可料を3日分払っても、まだまだ
余裕がある金額が手に入った。
これからのトラブルもこの調子で、乗り切ることができるのであろうか?
お勧めポイント
タイトルどおりのブラックユーモア作品です。
これはドラマだと思うから笑えますが、周りにこんな人がいたら、本当に嫌
になります。この作品の登場人物同様に怒鳴ってしまうことでしょう。でもこ
れが映画となると、なぜか何度も見てしまう面白さです。
本人が思っているように、外面の良さで色々な人が協力してくれます。とこ
ろが、今まで怒ったことがないという人が出会って数時間後には怒鳴っていた
り、温厚そうな外人が掴み掛ったりします。周りの人が言うように、「他人を
怒らせる天才」です。
ここであまり書いてしまうと、作品を観る妨げになるので控えます。黒澤監
督を知っているかと聞かれて、野球選手ですと答え、ヌーヴェルヴァーグとい
う言葉も知らないと答える有様です。映画は月に2,3本観ると答えて業界人
を黙らせてしまうなど、今の私のように、ついつい愚痴を言ってしまいます
(笑)。
さて、この主人公、いったいどうなるのでしょうか?うまくいかない?そう
であれば、納得してしまうところですが、そうではないのが、繰り返し観てし
まう理由になっているのでしょう(笑)。
一番笑ってしまったのが、ナオの友人に話を聞きに行ったところ、ナオの名
前を聞いとたん、友人の顔がムッとしてしまうところです。
監督は数々の映画祭で賞を獲得した加藤行宏監督です。「機械人間、11号」
が賞を取られた一番有名な短編アニメ作品です。本作のDVD特典映像でご覧に
なれると思います。
主演の山田真歩さんは、「モテキ」「アフロ田中」などにも出演されています
が、本作品のキャラクタはピッタリです。セリフを言わなくても、表情で十分
に内面が分かってしまい、本当に笑ってしまいます。
長い長いタイトルですが、61分という上映時間で、一気に観てしまうブラッ
クユーモア作品で、やみつきになると思います。
この作品は、渋いお茶がよく似合っているように思います。
ぜひ、ご覧ください。
ポイント
笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆
ほのぼの度:★
スッキリ度:☆☆
感動度 :★


