作品名
「ありがとう」 ’06年度作品
監督
万田 邦敏
出演
- 赤井 英和
- 田中 好子
- 薬師丸ひろ子
あらすじ
1995年1月17日未明、阪神大震災が起こった。
神戸市長田区で写真店を営んでいた古市忠夫(赤井 英和)も、震災に直
面した一人だった。幸い、忠夫一家は、嫁の千賀子(田中 好子)を始め、
命に別状はなかった。しかし、住む家や仕事を無くしてしまった。
元来、前向きな忠夫は、町の復興に全力を尽くし、災害に強い街づくりを
呼びかけた。それは災害で亡くなった人たちへ、自分が出来る最善のことだ
と信じたからだ。
そんなある日、家族以外にも震災から助かったものがあるのを知った。そ
れは愛車であり、トランクに積んであったゴルフバックだった。
街づくりが進む中、忠夫は仕事もせず、ぶらぶらしていた。そしてある日、
忠夫はプロゴルファになると言った。
いくらゴルフがうまくとも、中年の忠夫がプロになれるわけがないと、周
囲は思った。しかし、来る日も来る日も、練習に励む忠夫に、もしかしたら
と周囲も期待した。
その甲斐あって、2000年プロテストの最終選考までたどり着いた。あ
とは合格圏内の50名に残ることができるかどうかだ。
勝負のラウンドは、どしゃぶりの雨の中、始まった。
お勧めポイント
阪神大震災で人生の価値観が変わった男の実話を描いたヒューマンドラマ
です。
ドラマの冒頭で、震災の様子が画面一杯に展開されます。正に地獄絵の様
相に、涙してしまいます。このようなことが、あちらこちらで、そして他の
震災でも発生していることには、胸が痛みます。
大阪弁(正確には神戸弁)のやりとりは、ほんま漫才のようです。でもユ
ーモアあふれる会話の中にも、魂に呼びかけるような言葉もあります。
プロ合格が厳しくなった友人を、叱咤激励しているかと思えば、ニコッと
笑う顔が、古市さんの明るい人柄を表しています。
そんな古市さんでも、プロテストでは、絶体絶命のピンチに陥ります。奥
さんから聞かされた「苦しかったら顔を上げて、奥歯をかみ締めて笑んやで。」
という言葉で、崖っぷちから這い上がろうとするシーンが印象的です。
『大切なのは、感謝して生きる気持ち』とテーマにあります。生かされた
命を大切に、感謝して生きる心を、この作品から教えてもらいました。
たくさんの友情出演があって、あっと思う人が随所に登場しています。こ
ちらもお見逃し無く。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆☆☆
感動度 :★★★★


