No.368 フィッシュストーリー｜メンタルシネマクラブ

作品名

「フィッシュストーリー」　’09年度作品

監督

中村　義洋

出演

多部　未華子
伊藤　淳史
森山　未來
濱田　岳

あらすじ

　【１９５３年】
　　　フィッシュストーリーが翻訳される。
　【１９７３年】
　　　早すぎたパンクバンド（伊藤　淳史）がキャバレーでスカウトされ、
　　　プロデビューを決める。
　【１９７５年】
　　　売れないパンクバンドが最後にレコーディングしたのが、ＦＩＳＨ
　　　ＳＴＯＲＹだった
　【１９８２年】
　　　合コンをする大学生（濱田　岳）。そこで予知能力に優れた女性が、「今
　　　日、私が出会う男性はいつか世界を救う重要な役を担う人」と予言す
　　　る。同時に、その学生に「今日、運命の人と出会う」とも告げる。
　
　【１９９９年】
　　　ノストラダムスの大予言は当たらず、新説は２００９年とも２０１２
　　　年とも言われた。
　【２００９年】
　　　神戸からフェリーで修学旅行に来ていた女子学生（多部　未華子）が、
　　　寝過してしまい、東京で降りられず、苫小牧まで乗船してしまう。親
　　　切なパティシエ（森山　未來）が、彼女に自分の生い立ちを話す。そ
　　　の直後、シージャックが発生する。
　【２０１２年】
　　　彗星が地球にぶつかるまで、あと５時間と迫る。アメリカによる迎撃
　　　計画も失敗に終わり、人々の心に落胆が広がる。
　

お勧めポイント

　大人のためのおとぎ話です。
　あらすじでもお判り頂けるように、いろいろな話が登場します。一見、何の
つながりもないように思えますが、それが最後につながります。
　
　この話をみると、夢を信じたくなります。夢をあきらめてはいけないと感じ
ます。自分だけの力で、それが実現しなくても、その思いはいつか誰かに引き
継がれていくことを信じたくなります。
　
　この話でも「フィッシュストーリー」という英語の本が、誤訳されてしまう
ところから話が始まります。それが運命の糸で結ばれて、なんと最後には地球
を救う役割へとリレーされていきます。
　
　どこかで誰かが、ちょっとしたきまぐれからでも、道を変えてしまえば、そ
れで途切れてしまう話が、細い糸でありながらも結ばれていくのは、運命でし
かないと感じてしまう作品です。
　作中でも「この時代で届かなかった思いが、いつか世界を救う」とあります。
　
　たくさんの登場人物ならびに役者さんが登場します。それぞれキャラクタに
良くあった役どころをされています。ＦＩＳＨ　ＳＴＯＲＹという曲も聴き応
えがあります。
　
　原作は、伊坂幸太郎さんです。「アヒルと鴨のコインロッカー」「重力ピエロ」
「死神の精度」「陽気なギャングが地球を回す」など、数多く多次元に及ぶヒ
ューマン小説を書かれています。原作が確かなだけに、この作品も展開が予測
できず、楽しめます。
　
　この作品は、ケーキーとワインが似合うのでしょうか。
　温かいところでご鑑賞くださいね。