作品名
「福耳」’03年度作品
監督
瀧川 治水
出演
- 宮藤 官九郎
- 田中 邦衛
あらすじ
フリータ暮らしで何をやっても続かず、借金もある里中高志(宮藤 官九
郎)は、お世話になった看護士に近づくために、老人ホームの仕事についた。
赴任早々、入居していた藤原富士郎(田中 邦衛)が亡くなった。ところ
が、死んだはずの富士郎が高志にとりついた。彼の体を借りて、この世に残
した未練を収めたいというのだ。その未練とは、同じホームにいる女性に、
思いを伝えたいということだった。
最初は嫌がっていた高志だが、そもそも仕事を始めるきっかけになった看
護士との仲をとりもってくれるとあって、邪険にもできなかった。
しかし、老人の富士郎がとりつくことで、高志の肉体の老化も早まってい
た。
お勧めポイント
脚本家の宮藤官九郎さん主演のファンタジック・ヒューマンドラマです。
宮藤官九郎さんの相手役として、田中邦衛さんが例によって良い味を出し
ています。
高志は何をやっても長続きしない理由を、この作品の中で説明してくれま
す。おかしい説明でありながら、納得するところも多いです。一方の富士郎
は、いくつもの会社を経営した実績があり、その手腕は未だ衰えずという対
照的な二人です。でも女性のこととなると、積極的な高志に対して、オクテ
な富士郎と、立場が逆転してしまうところは、若者と老人を感じさせてくれ
ます。
富士郎さんがこの世に残した未練は、実はもうひとつあって、こちらのた
めに、高志さんにとりついたのでした。福耳というタイトルは、高志の耳が
福耳というところからきています。
主演の宮藤官九郎さんも面白いのですが、豪華な共演者に、もう少し出番
を与えてあげて欲しいくらいです。
今、何か悩んでいて、どうしようかと躊躇している人へ、何をやっても不
安で仕方がない人へ、この作品を贈ります。きっと背中を押してくれること
でしょう。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★★


