配信

No.339 地下鉄(メトロ)に乗って

作品名

「地下鉄(メトロ)に乗って」’06年度作品

監督

篠原 哲雄

出演

  • 堤 真一
  • 岡本 綾
  • 常盤 貴子
  • 大沢 たかお

あらすじ

 長谷部真次(堤 真一)はある日地下鉄に乗ると、不思議な空間に入り込
んでしまった。そこは昭和39年高度成長期の東京であった。しかもその日
は、真次の兄が事故で亡くなった日であった。それに気づいた真次は、兄を
助けるため奔走した。

 何度となく不思議な空間に陥った真次は、父親の小沼佐吉(大沢 たかお)
と、彼の愛人お時(常盤 貴子)の人生をも垣間見た。父親を嫌った真次は、
父親と絶縁したほどだったが、若き日の父親は、彼の印象とは正反対で、子
ども思いの立派な父親だった。

 真次と共に異空間に入った真次の恋人みち子(岡本 綾)は、彼女の母親
と対面し、出生の秘密を知ってしまった。

お勧めポイント

 浅田次郎さん原作のヒューマンドラマです。

 こんな風に自分の両親や周りの人を、その時代で直接触れてみることがで
きるのなら、私も遭遇してみたいものです。主人公は20歳過ぎの若き父親
から、戦後の混乱する日本を生き抜いた父親まで、節目になる場面を見てき
ます。若き日の父親は、純粋で希望に満ち溢れています。それがなぜ自分が
知っているような父親になったのか、また、幼い自分が見た父親と、大人に
なった自分がその場面を見て感じたことへのギャップに驚きます。

 主人公の父親役を大沢たかおさんが演じます。中年の父親はさすがに無理
がありましたが、若き日の初々しい姿からエネルギッシュに燃える青年期は、
その変化をひしひしと感じました。

 小沼佐吉の愛人役を演じる常盤貴子さんも、若き姿から中年までの姿を見
せてくれますが、こちらは本当にすばらしいです。

 真次の恋人役を演じる岡本綾さんも、その出生の秘密を知ったとき、あっ
と驚く行動をとります。詳細をお伝えできないのが残念ですが、ゆっくりと
作品をお楽しみください。

 主人公の堤真一さんですが、「夕日の三丁目」などメトロなドラマには、ぴ
ったりの、昭和を生き抜く主人公役がよく似合っています。

 この作品は多くの人に共感を与えると思います。とくに息子を持つ父親、
そしてその息子さん、さらに、結婚を控えた娘を持つ母親と、その娘さんに
は、何かしらの感動があると思います。

ポイント

笑える度 :★★★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★★★