作品名
「小さな恋のメロディ」’70年度作品
監督
ワリス・フセイン
出演
- マーク・レスター
- トレイシー・ハイド
- ジャック・ワイルド
あらすじ
11歳の少年少女が通う厳格な学校で、ダニエル(マーク・レスター)と
メロディ(トレイシー・ハイド)は、知り合った。
自分の気持ちをはっきり伝えられないダニエルと、友人から聞いて彼のこ
とを意識し始めるメロディだったが、ゆっくりと二人の気持ちは近づいてい
った。
ダニエルの悪友オーンショー(ジャック・ワイルド)も、最初は茶化して
いたが、ダニエルの真剣な気持ちに、それを応援した。
ある日、ダニエルはメロディと結婚したいと言い出した。11歳の子供た
ちの願いに、周囲の大人たちは戸惑いながら、それを拒否した。
業を煮やしたダニエルたちは、自分たちで結婚式をやろうと決意した。
お勧めポイント
ほのぼのとした初恋の物語です。
はっきりと言い出せないダニエルの気持ちを、周りの子供たちが伝えてい
き、やがてメロディの耳に入っていきます。それを知ったメロディがダニエ
ルを見つめるその表情は、初恋のまなざしそのものです。胸の高まりが聞こ
えてきそうです。
墓地で初デートをし、学校を休んで遊園地へ出かける二人の表情は、幸せ
そのものです。そんな中、二人が話す結婚観がなかなか面白いです。
最初は無口なダニエルが、結婚を決意した辺りから、雄弁に主張を始めま
す。『愛は男を強くする』を証明しています。また、メロディの『どうして今
すぐ結婚してはいけないの?』の問いかけに、満足な答えを言える人もいま
せんでした。
撮影当時、主演の二人の実年齢は13歳と11歳と、主人公たちと同じ年
頃で、初々しい演技が好感を呼びます。どちらも作り物のお人形さんに見え
ます。そして、主演の二人以上に非凡な演技力を発揮しているのが、共演の
ジャック・ワイルドです。当時19歳だった彼は、同級生役のマークと比べ
て身体能力が明らかに違うのが判りますが、その分、ジャックがいたからこ
そ、この物語は完成度を高めたと言えます。
そして、物語に憂いをかける音楽がすばらしいです。物語が始まった直後
に、メロディが金魚を持って出かけるシーンにかかる『メロディ・フェア』
は、誰でも一度は聞いたことがある曲と思います。この曲をバックに、画面
一杯に映し出されるメロディの姿は、青春そのものです。
有名なラスト・シーンが控えています。車のような機械的なものは爆破し、
自分たちの力だけで未来へ進んでいく姿は、何度見てもすばらしいです。
春が近づいてきたのを確信できるこの頃に、この作品で、一足早く心に春
を迎えてみませんか?
ポイント
笑える度 :★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度 :★★★


