配信

No.341 サン・ジャックへの道

作品名

「サン・ジャックへの道」’05年度作品

監督

コリーヌ・セロー

出演

  • ミュリエル・ロバン
  • アルチェス・ドゥ・バンゲルン
  • ジャン=ピエール・ダルッサン

あらすじ

 資産家の母が亡くなり、その遺言で三人の子供たちは、巡礼の旅に参加し
なければならなくなった。もし、誰か一人でも参加しなければ、遺産を受け
取ることができない。

 長男のピエール(アルチェス・ドゥ・バンゲルン)は社長で裕福だったが、
母親の遺言ということで、しぶしぶ参加した。

 長女のクララ(ミュリエル・ロバン)は、厳格な高校の教師であったが、
夫が失業中で、一人で家計を支えていた。

 次男のクロード(ジャン=ピエール・ダルッサン)は、アル中が原因で妻
と離婚していて、その日のお金にも困っていた。

 巡礼の旅には彼ら以外にも、片思いの女性を追って参加した高校生の男女
4人と、どこか影のある女性が参加した。そして彼らのガイドを含めた9人
で、サン・ジャックへの2ヶ月にも及ぶ、徒歩による長旅に出発した。

お勧めポイント

 シリアスでありながら、随所に笑えるシーンを盛り込んだフランスのヒュ
ーマンドラマです。

 まず、三人の兄弟ですが、非常に仲が悪いです。旅の当初は、けんかの連
続で、ガイドからも呆れられてしまうほどです。しかし、美しい風景をバッ
クに歩き続けていくうちに、お互いを理解し合えるようになります。
 美しい風景と晴れた空が、主人公たちの心の闇を、清めてくれるのがよく
判ります。

 参加した高校生の中に、失読症の男の子がいて、教師志望の女子高生が言
葉を教えようとします。でもうまくいかずにいるところを、現役教師のクラ
ラが手を差しのべます。この教え方は、なるほどと感嘆してしまいました。

 さらに、まめ知識も手に入れることができます。毎日歩くには、荷物の重
量をどれぐらいが良いのかも判ります。参加したメンバーたちは、無駄なも
のを持っていて、途中で大半を捨ててしまうシーンも笑ってしまいます。歩
きのプロっぽい若者の話も笑えます。最後にオチまでついています。

 巡礼の旅は、携帯の電波が届かない地域がほとんどで、たまに電波が届く
樹の下などでは、みんなが携帯片手に連絡タイムになるのも笑えます。

 色々な人生を過ごした人々が集まって、時にはケンカして、やがて初対面
だった人が友として共に歩いていく、人生のロードムービーです。見終わっ
た後には、どこか旅行に行きたくなる、そんな作品です。
 今度の週末は、この作品を観てから、旅行にでも出掛けてみませんか?

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★