配信

No.307 ザ・ペーパー

作品名

「ザ・ペーパー」’94年度作品

監督

ロン・ハワード

出演

  • マイケル・キートン
  • マリサ・トメイ

あらすじ

 ニューヨークのサン新聞で働くヘンリー(マイケル・キートン)は、毎日、
スクープ戦争に明け暮れていた。

 早朝に帰宅したかと思うと、朝も早くから出社し、最新スクープを探りだ
す。ヘンリーが勤める新聞社は中堅で、大手新聞社に出し抜かれながらも、
少ないメンバーで奮闘していた。

 あまりの忙しさと、それが報われない安い給料に、誰もが不平を言い、他
社への転職を考えていた。それは願いだけでなく、実際に行動しているもの
も多かった。ヘンリーもその一人だった。

 白人男性が射殺され、その犯人として黒人青年が逮捕された。だがそれは、
警察が世間体を保つためのでっち上げだった。それに気づいたヘンリーたち
は、証拠を求めて駈けずり回った。朝刊の締め切りまで、もう時間はない。

 一方、ヘンリーの同僚で結婚した妻マーティ(マリサ・トメイ)は、出産
をひかえて休暇をとっていた。でも、家庭を顧みないヘンリーの仕事ぶりは、
自分の将来に不安に抱かせた。

お勧めポイント

 新聞記者の一日を題材に、現在社会で働く人々を描いたヒューマンドラマ
です。

 「職場は戦場」。最近はこのような言葉を聞くことも少なくなりましたが、
この作品をみると、ぞっとするような一日です。分単位のスケジュールで、
意見の調整、スクープの取材と、食事をしている時間も惜しまれる生活です。

 でも、話が進むにつれて、どうしてこんな暮らしを続けられるのか理解で
きます。それは新聞社だからというのではなく、好きな仕事をしていて、自
分の会社に誇りをもっているからです。

 主人公は、生まれてくる赤ん坊が自分にどんな変化をもたらせるのか、い
まいちピンときません。とうとう出産立会いになり、あたふたとします。生
まれてきた赤ん坊をみて、ヘンリーがどう思ったのか、それはご覧になられ
て自ら感じてください。

 物語はヘンリーだけでなく、彼の同僚達も描かれています。みんな苦労し
ながら、必死に生きているのが良く判ります。思わず涙が出たり、一緒にな
って喜んだりと、悲喜こもごもの場面が続きます。

 名匠ロン・ハワード監督らしく、エネルギッシュにバイタリティーあふれ
る内容です。

 主演のマイケル・キートンはもちろんのこと、「いとこのビニー」でも活躍
したマリサ・トメイもキュートな妊婦役で大活躍します。

 「世界は一日で変わってしまうかもしれませんから」という7時のニュー
スのナレーションから始まり、このセリフで終わります。このセリフ、なる
ほどと思わせる見ごたえのある、奥の深いエンディングが待ち構えています。
 ぜひ、この作品をゆっくりとくつろいでご覧ください。

ポイント

笑える度 :★★
ファイト度:☆☆☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★★