作品名
「ええじゃないか」’81年度作品
監督
今村 昌平
出演
- 泉谷 しげる
- 桃井かおり
あらすじ
江戸時代末期、漂流した源次(泉谷 しげる)は、アメリカ漁船に救われ
て渡米した。8年後に日本へ戻った源次は、女房のイネ(桃井かおり)の元
へ急いで帰った。ところが世の中は不況で、亭主が帰ってこないイネは、見
世物小屋に売られていた。
町にあふれる庶民の中に、金蔵というチンピラがいた。金蔵は町のチンピ
ラを集めて、庄屋たちと悪巧みを働く一方、薩摩藩や幕府とも手を結んでい
た。
庶民の暮らしはどん底状態になり、各地で「ええじゃないか」という踊り
とともに、百姓一揆が発生した。当初は金蔵たちが仕組んだ事だったが、や
がてそれは金蔵だけでなく、幕府でさえも止められない大事件へと発展した。
お勧めポイント
今村昌平監督の代表作です。
全編を通じてエネルギッシュな人間で溢れています。江戸時代の庶民の暮
らしぶり、娯楽をじっくり見ることができます。つい最近まで夜店で見かけ
たような口上も登場します。
でもこれは歴史の1ページではなく、現在の私たちの暮らしを観ているよ
うにも思いました。いつの世も、庶民の暮らしは変わらないものなのですね。
出演する俳優人も豪華です。緒方拳さん、露口茂さん、草刈正雄さん、倍
賞美津子さん、田中裕子さんなど、書ききれないほど豪華な面々です。
この作品のスタッフで、ふと気づいた人に、撮影担当の姫田真佐久さんが
いました。この方が撮影された代表作に、「嵐を呼ぶ男」、「復讐するは我にあ
り」、「人間の証明」、「キューポラのある街」などがあります。いずれ劣らず、
人間ドラマの代表作です。この作品でも群集の活気がヒシヒシと感じるのは、
この人の存在が大きいと思います。群集が動き出したら、これほどのパワー
になるのを、群集心理の怖さを、この作品で実感しました。
年末年始は、人混みに溢れた街中を歩くことも多いです。周りを歩く人た
ちを眺めて、ふと人間好きになっている自分を発見することと思います。
ポイント
笑える度 :★★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★


