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No.286 キューポラのある街

作品名

「キューポラのある街」’62年度作品

監督

浦山 桐郎

出演

  • 吉永 小百合
  • 東野 英治郎

あらすじ

 埼玉県川口市はキューポラのある街です。ここは鋳物工場の街であり、多
くの職工が働いていた。石黒一家もそのひとつだった。

 ある日、一家の大黒柱である辰五郎(東野 英治郎)が会社を首になった。
予てからお金に困っていた一家は、ますます窮地に陥った。

 中学生でありながら、家計を支えるため、内緒でパチンコ屋のアルバイト
をしていた長女ジュン(吉永 小百合)は、一計を案じた。

 どうにか再就職が決まった辰五郎であったが、新しい工場は、オートメー
ションによる最新技術を導入していて、辰五郎のような昔職人の居場所はな
かった。半月もしないうちに辞めて、酒びたりの日々を送るようになった。

 父親の離職はジュンにも堪えたが、父親が言い放った言葉は、さらにジュ
ンを苦境へと追いやった。

お勧めポイント

 貧しいながらも明るく一生懸命に生きようとする一家を描いたヒューマ
ンドラマです。

 タイトルにあるキューポラって何だと思いますか?この映画の最初で解
説されますので、冒頭をよく聞いてください。

 石黒一家は親子4人家族です。女の子と男の子の兄弟ですが、お姉さんが
弟の面倒をよくみて、お母さんの役までしっかり果たしているのが印象的で
す。さらにお姉さんは、まだまだ中学生だというのに、将来や世間の様子を
しっかりと掴んで懸命に生きようとする姿には心打たれます。

 この作品、1962年当時を描いていますが、今に通じるものがあります。
オートメーションの波があちらこちらで普及し、時代が変わっていくのを感
じます。さらに家族の絆や隣近所との付き合いなど、一家の暮らしは現在と
大違いです。あの頃はどこの家庭でも一生懸命に生きているという言葉がピ
ッタリの時代だったと感じます。

 主人公役の吉永小百合さんの瑞々しさと、明るく生きようとする健気な姿
に、明日もがんばろうという気になります。

ポイント

笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度  :★★★