作品名
「列車に乗った男」’02年度作品
監督
パトリス・ルコント
出演
- ジャン・ロシュフォール
- ジョニー・アリディ
あらすじ
シーズン・オフのリゾート地に列車でやってきたミラン(ジョニー・アリ
ディ)は、見てくれ通りの流れ者だ。彼は頭痛を解消するため、ドラッグス
トアに立ち寄った。そこで初老の紳士マネスキェ(ジャン・ロシュフォール)
と会った。マネスキェはフランス語の教師だったが、今は引退して一人暮ら
しをしていた。
薬を飲む水をもらうため、ミランはマネスキェの家に立ち寄ることにした。
数分後、多くを語らずミランは出て行った。ホテルを探しに出たのだが、オ
フ・シーブンのホテルはすべて休業中だった。頼るところのないミランは、
マネスキェの家に泊めてもらうことにした。
それからの二晩、互いに正反対の人生を生きてきたと思われる二人は、会
話をするたびに、自分にないものを体験してきた相手に新鮮さを感じた。
お勧めポイント
故郷を離れたことがないマネスキェと、サーカスとともに町から町へ流れ
歩いたミランは、対照的な生き方してきました。安住の地に落ち着いて、静
かに詩を読み、ピアノを弾いてみたいミラン。列車に乗ってアウトローな生
活をし、女性にも気軽に声をかけてみる暮らしを夢見るマネスキェ。まさに
対照的です。
さてこのミラン、何の目的があってオフ・シーズンのリゾートにやってき
たのでしょうか?その目的を知ったとき、マネスキェは心踊りますが、残念
なことにその日、マネスキェは病院で持病の手術をすることになっていまし
た。
土曜日の朝、一人は病院に、もう一人は銀行に、それぞれの人生の終着駅
に向かいました。このラストシーンがものすごく感動的です。第2の人生を
送っている二人の姿が、なんとも言えない、大人のダンディリズムを感じさ
せます。アコスティックなBGMも心に伝わってくる音楽です。
作品でこんな例え話が紹介されます。人にはハブラシが無かった時に、あ
らかじめ予備を用意しておく「計画派」と、無いのに気づいた時に、買いに
走る「実行派」がいるという話です。でもマネスキェは、全部で3パターン
あるといいます。残り一つはどんな人なのでしょうか?答えはこの映画にあ
ります。
登場人物に不思議な人がいます。朝の10時にしか口を開かない男です。
それまで話すことを考えて、それ以降は、その余韻に浸っているということ
です。
フランス映画らしく、波乱のシーンは待ち受けていませんが、その分、哀
愁が漂う全編になっています。この週末はこの作品を観ながら、今までの人
生を思い返してみてください。今の人生を選んだのはあなた自身ですし、第
二の人生を選ぶのも、あなた自身です。
ポイント
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆☆
感動度 :★★★★


