No.214 エレファントソング
「エレファントソング」’94年度作品
利重 剛
喫茶店でウェイトレスとして働く加奈子(松田 美由紀)の元へ一本の電
話が入った。彼女の昔馴染みの下月(三谷 昇)という男が死んだのだった。
生前から自分が死んだら加奈子へ連絡するように、大家さんにお願いして
あったのだ。加奈子はさっそく喫茶店の常連である吉樹(寺島 進)を言い
くるめて下月の下宿へ向かった。下月と加奈子には約束があった。自分が死
んだら、土に返して弔って欲しいというものだった。
友人との約束を守ろうとする加奈子は、何一つ事情を知らないままの吉樹
が運転するトラックへ下月の死体を運び、息子の進も引き連れて死体を埋葬
する場所を捜すのだった。
ヒューマンドラマです。
象は生命の終りを悟ると、群れから離れて、森の奥にある象の墓場へ向か
うという話が紹介されます。この作品に登場する下月も生前の遺言どおりに
こっそりと消えるのを願います。加奈子は大家さんにも、下月は死んだので
はなく、どこかへ去ったことにして欲しいと頼みます。そして死体を担いで
弔い場所を捜します。
デパートへスコップを買いに行くシーンで、加奈子は展示してあるピアノ
を演奏する少女に出会います。少女のぎこちない「ネコふんじゃった」が加
奈子と連弾で、みるみる楽しい曲に変わります。このシーンがとてもかわい
いです。ついつい聞き惚れてしまいます。実はピアノは加奈子と下月が出会
うきっかけになったものだったのです。
弔い場所が見つからず、だんだん死臭が漂ってくる死体に悲しむシーンや
訳も判らず連れ回された吉樹とケンカするシーンなど、加奈子の性格がせつ
せつと描かれます。最初はぎこちなかった吉樹との関係も旅を続けていくう
ちに尊重しあうようになります。
友人との約束がどんなことであれ、一生懸命に果たすことができるでしょ
うか?そんなことを考えてしまった作品です。
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★
