作品名
「白い恐怖」 ‘45年度作品
監督
アルフレッド・ヒッチコック
出演
- イングリッド・バーグマン
- グレゴリー・ペック
あらすじ
コンスタンス(イングリッド・バーグマン)は女医の臨床心理士だ。彼女は優秀だが、冷血な感情のない人間だと周囲からは思われていた。
院長が変わることになった。新しい院長は著名な論文を多く書いているエドワーズ(グレゴリー・ペック)という博士だった。コンスタンス女医も彼の論文を全て読んで尊敬していた。そして一目見た瞬間、コンスタンス女医は恋に堕ちた。エドワーズ博士もコンスタンス女医を気に入ったようだ。
エドワーズ博士には変わったところがあった。白地に模様があるものを見たら、錯乱するのだった。
エドワーズ博士が行方不明になったと事件が報道された。その場所と日時を考えたら、新しくやってきた博士はエドワーズ博士ではないことになる。刑事が持ってきた写真も病院にいるエドワーズ博士とは別人だった。
彼は誰であり、エドワーズ博士はどうしたのか?、誰も分からないままであった。エドワーズ博士が行方不明だと広まると同時に偽物のエドワーズ博士は、姿を消した。だがコンスタンス女医には行先のメモを残していた。
お勧めポイント
アルフレッド・ヒッチコック監督のサイコ・スリラー作品です。
偽物のエドワーズ博士(彼の本名はバランタイン氏)は世間からエドワーズ博士を殺した容疑者のように思われる中、コンスタンス女医だけは彼の無実を信じます。錯乱したからといって彼の本質は人を殺すような人ではないと信じて、彼を支えます。
コンスタンス女医は臨床心理士として優秀な人です。ところが恋に堕ちてからは適切な判断が出来ていないかのように見えます。でも愛した男を必死に支えていく様子は健気としか言いようがありません。
コンスタンス女医と彼女の恩師が協力してバランタインの夢を分析して真実を究明していくストーリーが秀逸です。夢に現れた人物や背景からそれが示すものが解き明かされていきます。
この夢に登場する幻想的なシーンには画家のダリが協力してます。それがまた恐怖心を煽るものです。
主演のイングリッド・バーグマンさんと言えば、この当時、一世を風靡した銀幕の女王でした。気品ある立ち振る舞いと、上品としか言いようのない顔立ちにはウットリとしてしまいます。「カサブランカ」が特に有名です。
共演のグレゴリー・ペックさんも凛々しい青年時代です。「白鯨」の船長役が目に焼き付いている私には「ローマの休日」も思い出しました。
アルフレッド・ヒッチコック監督は「鳥」「サイコ」「ダイヤルMを廻せ!」などが有名です。そして自分の作品に登場することでも有名です。どこで登場するのか探すのもファンには楽しみなところです。ウィキペディアに「アルフレッド・ヒッチコックのカメオ出演一覧」があります。本作ではエンパイア・ステート・ホテルのエレベーターから煙草をふかしながら降りてきます。
私が一番ドキドキしたのはラストシーンです。コンスタンス女医と新犯人との対決です。ここも臨床心理士としての腕の見せ所です。楽しんでください。
ポイント
笑える度 ★
ファイト度 ☆☆☆
ほのぼの度 ★★
スッキリ度 ☆☆☆
感動度 ★★


