配信

No.217 SMOKE

作品名

「SMOKE」’95年度作品

監督

ウェイン・ワン

出演

  • ハーヴェイ・カイテル
  • ウィリアム・ハート

あらすじ

 1990年のブルックリン。
 タバコ屋を営むオーギー(ハーヴェイ・カイテル)の趣味は写真撮影。毎
朝8時になると店の前から撮影することを10年以上も続けている。
 ある日、そのアルバムを見せてもらった小説家ポール(ウィリアム・ハー
ト)は、愕然とした。その中に事故で死ぬ前の妻の姿を見つけたからだ。
 ポールは危うく車に轢かれそうになり、それを助けたのが少年ラシードだ
った。感謝したポールは、行く当てがないと言うラシードを自分のアパート
に泊めた。でも執筆活動に忙しいポールは、彼が立てる雑音が耳障りになっ
て彼を追い出した。
 ラシードは古びたガソリンスタンドの前に座っていた。一日中座っている
ラシードを不審に思ったガソリンスタンドの店主は、彼に話し掛けた。

お勧めポイント

 ブルックリンに住む人々が織りなすヒューマンドラマです。
 それぞれに起こる出来事、彼らの背負い込んでいる人生が走馬灯のように
次から次に展開されます。ショートストーリの連続にみえて、その全てがど
こかで繋がっています。
 最初に紹介されるのが「タバコの煙の重さを知っていますか」という問い
掛けです。この方法が判りますか。
 作品の随所でちょっとしたドラマが繰り広げられ、その度にホッとしたり、
心がジンときたりします。画面をしっかり見ないと、真実が見えない場面も
ありますので、注意してください。
 中でも一番ジンとくるのは、最後に紹介されるオーギーのクリスマス逸話
です。小説家ポールが急遽執筆しないといけなくなったが、そのネタが見つ
からない。それを聞いたオーギーがランチをご馳走になる条件で、クリスマ
スに経験した良い話を聞かせます。
 この話ですが、最初に言葉だけでストーリが説明されます。次に再現ドラ
マで、そのストーリが映像化します。最初の言葉だけの説明時は、目を閉じ
て場面を思い描きながら聞いてみてください。次の再現ドラマはしっかりと
画面を見つめてください。耳だけの話も涙が出る良い話ですが、目を通して
入ってくる映像には耳だけでは決して知ることのできない言葉があります。
この場面で、きっと涙が溢れることでしょう。
 最後の逸話はクリスマスが舞台なので、クリスマスにこの作品を見た方が
良いかもしれません。でも私はクリスマスに拘らず、この作品はいつ見ても
楽しめると思います。
 今度の週末はハートフル・ストーリで春の心地よい季節を楽しんでみませ
んか。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★★