配信

No.218 捕らわれた唇

作品名

「捕らわれた唇」’94年度作品

監督

アスセナ・ロドリゲス

出演

  • ペネロペ・クルス

あらすじ

 1974年のマドリードに、裕福な家で育ちクラシックバレエーが生き甲
斐のルシア(ペネロペ・クルス)が住んでいた。恋人との甘い生活も束の間、
恋人は反政府運動家で当局から目を付けられていた。当局の追及に逃亡を企
てた恋人から預かったトランクが元で、何も知らないルシアも反政府活動犯
と思われ捕まった。
 次々に起こる出来事は、お嬢様育ちのルシアには地獄の10日間に思えた。
取調べが終わったルシアは、女性活動家専門の刑務所に収容された。最初は
お嬢様育ちのルシアを皆は敬遠していたが、徐々にルシアと馴染んでいった。
刑務所での色々な出来事はルシアを大きく成長させた。また、親友といえる
カタとも出会えた。
 ルシアに判決が出た。世間でも意見は分かれたが、10年の禁固刑が言い
渡された。バレエーが生き甲斐のルシアには、10年もの間牢獄にいること
は、死を宣告されるよりも辛いことであった。
 ルシアは脱獄を決意した。

お勧めポイント

 ヒューマンドラマです。見終わった後の感想は、爽やかな余韻が残ります。
その理由はラストシーンにあるのでしょうか。あるいはペネロペ・クルスの
演技に魅了されたからでしょうか。いずれにしても、この作品がペネロペ・
クルスにとって演技派への躍進を遂げるための意欲作であることは、御覧に
なればよく判ります。
 脱獄が決行されることになった時、脱獄計画の中心的存在だったルシアに、
不幸な知らせが届きます。その知らせにルシア役のペネロペが見せる憤りは
画面を通じてヒシヒシと伝わってきます。
 笑えるシーンでは、脱獄の準備を進めるルシアとカタがあまりにも親密過
ぎるのを疑った仲間が、それとなく同性愛を注意するところです。話の途中
で気付いたルシアが、わざとカタに腕を回し、それらしく見せるのが笑えま
す。また、子供を取られた仲間への抗議として、全員がお腹を膨らせて、口
ひげを付けて抗議するシーンも笑えます。
 ラストシーン近くで脱獄を決行したカタが看守に発見されそうになった
時、ルシアがとる行動は何でしょうか。このシーンがあるからこそ、見終わ
った後に爽やかな印象が残るのでしょうか。
 成長したルシアを嬉しく思えます。

ポイント

笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★
スッキリ度:☆☆☆☆
感動度  :★★★