作品名
「火垂の墓」’88年度作品
監督
高畑 勲
出演
- 辰巳 努(声の出演)
あらすじ
昭和20年6月、神戸は空襲で一面焼き野原と化した。14歳の兄、清太
と4歳の妹、節子は母親を失い、遠い親戚を頼って神戸を後にした。
最初こそ温かく迎えた親戚だったが、軍人である清太兄弟の父親も消息不
明だったことから、孤児の可能性が高い二人を邪魔者扱いした。我慢のでき
る清太に比べて、まだ物心のつかない節子には、そんな暮らしが耐えられな
かった。毎日泣き叫ぶ節子に、とうとう家を飛び出す決意をした。
二人が住み始めた場所は、川沿いにある穴倉だった。最初こそ隠し持って
いた貯金を使って、兄弟水入らずの生活を過ごしていた。しかし、貯金が底
をつき始めた頃から、幼い兄弟に苦しい現実が襲いかかった。
お勧めポイント
毎年、この時期になるとテレビで放映されます。戦争の悲しさ、苦しみを
嫌というほど感じさせる作品です。この映画を見た人の多くが二度と見たく
ないと言います。それは二度と見なくても、鮮明に脳裏に焼きつく作品だか
らです。私は何度でも見たい作品です。自分の記憶を確認するかのように忘
れかけた場面を思い出し、涙流した場面でもう一度涙したい、そんな気分に
させる作品です。だから定期的に見てしまいます。
この作品がここまで感動させる理由の一つに、節子ちゃんの愛らしさがあ
ります。苦しい生活の中で時折見せる人懐こい仕草が涙を誘います。畑泥棒
をして捕まった清太を追いかけて必死に叫ぶシーンやドロップをなめて喜
ぶシーンなど、どれ一つ取っても目に浮かんできます。
この作品を観ると、今の自分はとっても自由だし、最低限生きていくこと
ができる幸せがあります。また、雨水を防ぐ場所もあります。それなのに、
自分が不幸だと思ってしまうのが恥ずかしいです。
不況の時代ですが、この作品を観られてもう一度、幸せの意味を考えてみ
てはどうでしょうか?
ポイント
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆
感動度 :★★★★★


