作品名
「キリング・フィールド」’84年度作品
監督
ローランド・ジョフィ
出演
- サム・ウォーターストン
- ハイン・S・ニョール
あらすじ
1973年8月、カンボジア内戦を取材するために現地を訪れたシドニー
(サム・ウォーターストン)は、ニューヨークタイムズの記者であった。現
地でシドニーの通訳兼ガイドをするディス・プラン(ハイン・S・ニョール)
と共に、緊迫の日々を過ごした。
1975年、親米派のロン・ノル政権に対抗するポル・ポト率いる赤いク
メールの戦いは、熾烈を極めた。しかし戦況は、赤いクメールが有利に展開
していった。いよいよ首都プノンペンも陥落の危機になり、シドニーら外国
人は国外退去を勧告された。しかし、取材を続けたいシドニーらは中立の立
場であるフランス大使館に逃げ込み、なおも取材を続けた。プランは家族を
アメリカへ脱出させたが、自らはシドニーの熱意に報いるため、残留を決め
た。
1975年4月、ロン・ノル政権は崩壊し、ポル・ポト政権が発足した。
シドニーらは国外へ脱出を図ったが、プランのために偽造したパスポートに
ミスがあり、プランだけが取り残されることになった。
知識人を拒絶する赤いクメールの支配下で、プランはいかにして生き延び
ていくのか、はたまた、結末はどうなるのでしょうか。
お勧めポイント
これがメンタルビデオ?と言われるのを承知で推薦しました。ちょうど今
日、この作品に相応しい出来事があったからです。でも素晴らしい作品です。
いつか紹介したいと思っていましたので、ぜひ、この機会に御覧下さい。
この作品が惹き付けられる理由は、ドキュメンタリー風の仕上りです。そ
れだけに生々しさが全般に感じられます。特に、食い入って見てしまうのが、
歩き疲れてふと気付くと、目の前に人骨を発見するシーンです。さらに落ち
着いて周りを見渡すと、辺り一面に人骨が散乱しているのです。まさにキリ
ング・フィールドと呼ばれる地帯が登場するのです。
プランを演じるハイン・S・ニョールさんは俳優ではなく、元医者です。
実際に赤いクメール支配下を体験しただけに、真に迫る演技を感じます。ア
カデミーの助演男優賞を受賞されたのもうなずけます。
子どもが大人より権威を与えられている赤いクメールで、危うく処刑され
そうになったプランを助けてくれる少年がいます。彼は昔、プランからベン
ツのエンブレムを貰ったのを覚えていて、そのお礼に見逃してくれるのです。
でも、以前の彼とは気付かないほど、彼は変わってしまっていました。
感動のラストシーンで流れる「イマジン」が、この映画を物語っていると
言っても過言ではありません。シドニーの「許してくれ」という言葉に、プ
ランが返す「君を許すことは何も無い。何にもね。」という会話が最高です。
この作品は実話を元にしています。シドニーの書いた原稿は、ジャーナリ
ストのアカデミー賞といえるピューリッツァー賞を受賞しています。
ポイント
笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★★★★


