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No.157 パペットの晩餐会

作品名

「パペットの晩餐会」’87年度作品

監督

ガブリエル・アクセル

出演

  • ステファーヌ・オードラン

あらすじ

 19世紀デンマークの小さな漁師町にフランスからパペット(ステファー
ヌ・オードラン)という女性がやってきた。二人の老姉妹が住む教会で食事
の世話をすることになった。何か訳があるようなのだが、パペットは過去を
語ることはなかった。二人の姉妹は結婚もせず、厳格な父親を継いで神の道
に一生を捧げ、ひっそりと過ごしていた。
 ある日、パペットは村人たちとのつきあいで宝くじを手に入れた。この宝
くじはどうやら当たったらしいのだが、パペットは喜ぶ様子もなく、小額だ
ろうと村人たちも気に止めてなかった。
 ちょうど亡き神父の生誕100周年が訪れたが、パペットは晩餐会を開き、
日頃お世話になっている人を招待したいと提案した。村人たちもパペットの
せっかくの申し出を断る理由もなく、気が進まないまでも晩餐会に参加する
ことにした。
 晩餐会の食材が日々運ばれてきたが、どの食材も村人たちが見慣れぬもの
ばかりで、どんなものを食べさせられるのか村人たちは困惑した。しかしこ
の晩餐会、宝くじの当選金1万フランを使った豪華なものだった。そしてそ
の味も絶賛すべき内容で、そこにパペットの秘密が隠されていた。

お勧めポイント

 貧相な漁師町で人々も厳格で暗い雰囲気が漂う中、パペットの作る料理は、
人々が忘れかけていた温か味を思い出させます。
 実際に出される料理の味まではさすがに映画では判らないのですが、晩餐
会に招待された元将軍は、フランスの有名レストランで食事をしたこともあ
り、肥えた舌でその濃厚な味を言葉で伝えてくれます。その評価を聞いてい
るだけで、どんなに美味しいものを味わっているのか、自分もごちそうして
欲しくなります。
 最初は期待していなかった人々も、次々と出される美味に満足していきま
す。そしてそれと共に、忘れていた懐かしい思い出話しに花が咲き、ギスギ
スした人間関係が円やかになっていきます。そして元将軍もとうとう口にす
ることがなかったはずの言葉を残して帰っていくラストシーンが最高です。
招待された人々がみんな幸せそうに家路につくのです。
 この作品は心と共にお腹も満足させてくれる作品です。私の貧弱なイメー
ジでは、ボルシチとワインを用意して、暖房の効いた部屋で、この作品を御
覧頂くと最高だと思います。

ポイント

笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆
感動度  :★★★★