配信

No.105 ディープエンド・オブ・オーシャン

作品名

「ディープエンド・オブ・オーシャン」’99年度作品

監督

ウール・グロスバード

出演

  • ミシェル・ファイファー
  • トリート・ウィリアムズ

あらすじ

 1988年ウィスコンシン州マディソンで、ベス(ミシェル・ファイファ
ー)は高校の同窓会に子供3人を連れて出掛けた。ちょっと目を離した隙に
子供の一人、幼いベンが行方不明になってしまった。急いで駆けつけた父親
パット(トリート・ウィリアムズ)とベスを中心に、警察の必死の捜査にも
関わらずベンは行方不明のままであった。当初は高校の同級生を始め、各種
ボランティア団体が応援にやってきての大捜査が行われた。しかし消息は以
前不明のままであった。6週間が何の情報も無いままに過ぎ去り、ボランテ
ィア団体の数も次第に少なくなり、警察の捜査も打ち切られてしまった。
 事件後9年が経過したが、ベス一家は悲しみに塞ぎ、笑い声は消えうせた
ままであった。その理由は家族の誰もが、ベンがいなくなった理由は自分に
責任があると考えていたからである。
 そんなある日、近所でベンの面影を残す子供を発見した。

お勧めポイント

 これは実話です。「育ての親と生みの親」という表現がありますが、それ
を物語で表すと、このような作品になるのでしょうか。
 家族の一人一人が自分に原因があると考え、その心の傷を引きずったまま
生きていきます。ようやく幸せが戻ったと思う間も無く、さらなる悲しみが
家族に訪れます。それは血のつながった者が一軒の屋根の下にいるのに、家
族というイメージが感じられないことです。
 このまま家族はバラバラのままかと思いきや、荒れくれて刑務所に入って
しまった兄ビンセントに、弟ベンが微かに記憶していた幼い頃の話で、一筋
の光が見えてきます。このシーンには涙が出てくることでしょう。
 日本でも中国残留孤児が話題になったことがあります。はるか遠く、長い
年月を隔てて離れ離れになっていても、何か感じ合えるものが、お互いの体
には流れているのでしょうね。
 タイトルのとおり、深海の淵を漂う家族の物語です。でもはるか上空から
届いてきた、わずかな光に輝くことを失っていなかったのです。

ポイント

笑える度 :★
ファイト度:☆☆☆
ほのぼの度:★★
スッキリ度:☆☆
感動度  :★★★