配信

No.111 12人の優しい日本人

作品名

「12人の優しい日本人」’91年度作品

監督

中原 俊

出演

  • 塩見 三省
  • 相島 一之

あらすじ

 日本でもアメリカのように陪審員制度が発足した。元亭主を口論の末、殺
害した容疑で審判に掛けられた女性を、無罪か有罪か、無作為に選ばれた1
2人の庶民が議論することになった。
 裁判の状況からほとんどの人が有罪と確信していた。ただ一人、精密機械
会社の研究所に勤める若い男を除いては。しかし、頼んだ飲み物が届く間に、
無罪と主張する者も現れ、意見は対立し、有罪か無罪かは一進一退の白熱し
た議論へと変わっていった。
 果たして結論は無罪か、はたまた有罪か。

お勧めポイント

 これは脚本がよく練られています。もともとは舞台劇だったものを映画化
したので、映画に登場する場所は裁判所の中だけ、登場人物も数人で、ほと
んど陪審員の12人だけです。
 日本で陪審員制度が発足したら、という仮定も面白いですが、日本人が議
論したらこんな風だろうという展開が最高です。
 なぜ今回この作品を選んだかという理由があります。下の「お茶の間劇場」
でも書いていますが、この作品の題材になっている「十二人の怒れる男」と
いう作品がTVで放映されます。こちらを御覧になられてから見ると楽しさ
が倍増するからです。
 ヘンリーフォンダが主演する「十二人の怒れる男」は11人の陪審員が有
罪と判断する中、ヘンリーフォンダ演じる陪審員のみが無罪を主張し、11
人を説得していく過程を見事に描いたシリアスドラマです。
 このストーリを頭の中に描いて「12人の優しい日本人」を見ると、なぜ
かコメディドラマになってしまいます(笑)。ヘンリーフォンダ役は誰なの
かと思い描きながら見てしまいますが、有罪と言っているかと思えば突如無
罪だと考えが変わったり、議論に参加しなかったり、他人の意見を自分の考
えに代えてしまったりと、正に「優しい日本人」というタイトルがピッタリ
の内容です。きっとあなたも12人の中に、自分に似ている人を探し出すこ
とができると思います。それも楽しみのひとつです。
 さてこの作品の結末は、どうなるのでしょうか?最後の最後まで目が離せ
ません。映画の中に入り込んで、一緒になって考えてみてください。いや、
知らないうちに引き込まれています。三谷幸喜さんの世界に。

ポイント

笑える度 :★★★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★★
スッキリ度:☆☆☆☆☆
感動度  :★★★★