作品名
「モモ」’86年度作品
監督
ヨハネス・シャーフ
出演
- ラドスト・ボーケル
あらすじ
ある日、モモ(ラドスト・ボーケル)が都会のはずれの村にやって来た。
モモはあどけない表情をした少女であった。どこからやって来たのか、それ
どころか自分の歳さえ判らない有り様だった。そんなモモを、お金は無いけ
れど気の良い村人達は、優しくもてなした。
モモが来てから人々は優しい空気に包まれるようになった。その理由はモ
モの優しい顔を見ていると、穏やかな気分になるからであった。何時からか
犬猿の仲だった人が、モモのおかげで誤解が解け、昔どおりの仲良しに戻っ
た。
そんなある日、時間泥棒がやってきた。人々がのんびりと過ごしている時
間は無駄だと言って、その時間を取り上げて、毎日をアクセク働くように仕
向けたのであった。
お勧めポイント
何とも幻想的な作品です。映画「ネバーエンディング・ストーリー」の原
作者ミヒャエル・エンデさんが書いた小説だと言えば、どのような作品かも
お分かり頂けるのではないでしょうか。ミヒャエル・エンデさんは、「モモ」
の映画化を断り続けました。自分が描いている世界とは違う作品になりそう
だからです。しかし、以前から懇意にしていたヨハネス・シャーフ監督が担
当すると聞いて映画化を許可したそうです。そんな経緯もあって、ミヒャエ
ル・エンデさん自身もこの作品の冒頭で特別出演しています。これはお見逃
しなく。
ニコラとニノは会えば喧嘩を始めます。モモがニコラとニノに“Why?”
を繰り返します。二人ともなぜそうなったのかを忘れてしまっていました。
でも犬猿の仲になった理由を思い出した時、二人に笑顔が戻ります。私達の
日常生活でもこんなことが多々あるように思えます。そんな時、モモのよう
に、“Why?”なぜ?と考えてみましょう。ちょっとした誤解が原因にな
っている場合もあります。一度誤解が生じてからでは、なかなか“Why?”
と考えにくくなると思います。そこで深呼吸をしてから、冷静に、もう一度
よく考えてみましょう。
ラスト近く、モモが空を飛んで帰っていくシーンがあります。バックの音
楽が高まると共に、村人達が円形劇場で一斉に歓声をあげます。空からは花
びらが無数に飛び交い、人々の楽しい姿が続きます。このシーン何故だかよ
く分かりませんが、涙が止まらなくなりました。きっと人々が平和な暮らし
を取り戻し、貧しいけれど愛に包まれた瞬間だからでしょう。
この作品のビデオは以前から発売されていました。でも最近、置いてある
レンタル店は少ないようです。その代わりにDVDが発売されるようになり
ました。もしビデオで見つからない時は、DVDを探してみて下さい。
ポイント
笑える度 :★★★
ファイト度:☆☆☆☆
ほのぼの度:★★★★
スッキリ度:☆☆☆
感動度 :★★★★


