作品名
「虹色ほたる ~永遠の夏休み~」 ‘12年度作品
監督
宇田 鋼之介
出演
- 武井 証
- 木村 彩由実
- 石田 太郎
あらすじ
小学校6年のユウタ(武井 証)は、不思議な夏休みを過ごすことになった。バイク事故で亡くなった父親を思い出しながら、父親と夏休みに昆虫採集に行った蛍ヶ丘ダムに一人出掛けた。
ひょんなことで出会ったお爺さん(石田 太郎)は急な雨で溺れかけたユウタを水のお礼に助けてくれた。
目覚めたユウタはどうやら昭和52年にタイムスリップしたようだ。森で出会ったさえ子(木村 彩由実)はユウタに名前を尋ねたが、次の瞬間には従妹のユウタにされていた。他の人間も皆、ユウタのことをさえ子から聞いていたようだ。
突如現れたお爺さんはユウタに、元の世界に戻るには1ヵ月ぐらい掛かるから、その間この村でゆっくりしてろと言って消えた。
ユウタが突如入った村は、ダム建設で沈んでしまった村が無くなる直前の夏だった。
そこには現在では考えられない自然が一杯で、子供たちも皆、素朴に暮らしていた。
いつも明るいさえ子だったが、ユウタと同様、さえ子にも秘密があった。
お勧めポイント
ファンタジー・アニメ作品です。
「夏休み」は誰もが数回から数十回程度しか経験できないものでした。その時はそんなことを気にもせず、一生懸命に遊んだと思います。それでも経験出来なかったことに後で残念に思います。体験出来たことは一生の思い出になったと思います。
主人公のユウタは、素朴な田舎暮らしをしたことがなく、大自然の中で生きるということを体験します。水の美味さや多くの昆虫とのふれ合い、とりわけ大自然のホタルの素晴らしさです。
本作では色鮮やかなホタルが登場しますが、ホタルを実際に見たことがない人でも、こんな風に画面一杯に動き回るホタルを見ることが出来るのが一番のおすすめポイントです。幻想的で虹色に光るホタルは一見の価値があります。
躍動感溢れる画風は、生きていることの幸せを思い出せてくれます。作中に流れる井上水晶さんの「水の影」やエンディングに流れる松任谷由実さんの「愛と深い日の未来へ」も幻想的で涙します。
作中のセリフに「あぁ、このまま時間が止まってしまったら良いのに」とあります。物語の中に自分がいたら、同じことを呟くことでしょう。さらに「時は止まらない」というセリフも印象に残りました。
物語は田舎暮らしのすばらしさを伝えてくれるのと、ユウタ、さえ子が置かれた境遇についてもすこしずつ教えてくれます。
ホタルの寿命は10日から14日と教えてくれました。オスは強い光を放ちながら飛び回り、メスは葉っぱの陰で優しい光を放ちながら、運命のオスが見つけてくれるのをじっと待っているそうです。さえ子が大好きなホタルを物語に取り入れて、幻想的なエンディングを迎えます。涙が出ますよ。これは映画館の大スクリーンで観てみたいです。
ダム建設で村最後の夏休みを、観ている人も素朴な子供に戻って、一緒に楽しんでください。ビールに冷ややっこ、もとい子供ですからカキ氷を頬張りながら。
ポイント
笑える度 ★★★
ファイト度 ☆☆☆☆
ほのぼの度 ★★★★★
スッキリ度 ☆☆☆☆
感動度 ★★★★


